No.65
タイトル
料理長(シェフ)殿、ご用心
(原題)
WHO IS KILLING THE GREAT CHEFS OF EUROPE?
監督
テッド・コッチェフ
キャスト
ジャクリーン・ビセット、ジョージ・シーガル他 
制作
1978年/アメリカ
ジャンル ミステリー
上映時間
112分
評価
★★★
<ストーリー>
料理雑誌の出版社を経営するマックス(ロバート・モーレイ)は大の美食家としても知られている。マックスは自ら世界の4大シェフを選び、そして彼らを招いて晩餐会を開く。しかしその日を境に4大シェフたちは自分たちが得意とする料理の方法で次々と殺されていく。それもフル・コースの順番通りに。そして最後に残ったのはデザートを得意とするシェフ、ナターシャ(ジャクリーン・ビセット)。果たして彼女の運命は......。

<コメント>
かわいさと美しさを兼ね備えた女優として各国から人気が高いジャクリーン・ビセットの主演作品。監督はこの作品の4年後にシルヴェスター・スタローン主演の『ランボー』(1982)を撮るテッド・コッチェフ監督です。脚本は『シャレード』(1963)等、こういうジャンルを得意とするピーター・ストーン。

偉大な美食家として知られる大男(本当にでかい!)マックスが選んだ世界の4大シェフが次々殺されていくというミステリーです。しかし、味付けとしてはコメディーであり、肩の力を抜いて楽しめる作品となっています。

サスペンスとしてはそこそこで、緊張感はそれなり、という感じです。殺人事件の謎解きもさほど難しくなく、こういうジャンルが好きな方なら容易に犯人がわかってしまうかもしれません。また純粋なコメディでもないため、大笑いできる場面は少なく、どちらかというとセンスの良い会話等によって”くすぐられる”という感じです。しかし、最初から最後まで飽きずに楽しめるのは、演出のテンポの良さと、それぞれのテイストのバランスの良さのおかげだと思います。
また、忘れてはならないのが絶妙のキャスティングです。まず風船体型の美食家を演じるロバート・モーレイがインパクト抜群。前半飽きないのはこの人がキャスティングされているからかもしれません(笑)。また、やはりデザート・シェフを演じるジャクリーン・ビセットはかわいいですね。イギリス出身の彼女の身の振る舞いはどこか知性を感じさせます。同じ役でもアメリカのコメディ女優ゴールディー・ホーン辺りが演じるとちょっとドタバタっぽい雰囲気になったかもしれません(それはそれで面白そうですが)。そして彼女の恋人を演じるのがジョージ・シーガル。名作『ウィークエンド・ラブ』(1973)ではゴールデン・グローブ賞男優賞にも輝いたベテランです。途中、ヨーロッパとアメリカの文化の違いをシニカルに描いた部分も、彼が”いかにも”なアメリカ人をうまく演じているので印象的なシーンになっています。そういう意味ではその他の俳優をヨーロッパ出身者で固めているのも(ヨーロッパのシェフという設定なので当然ですが)成功していると思いますし、そのせいか作品の雰囲気もどことなくスマートさを感じさせます。登場人物の中では、個人的に大好きな俳優ジャン・ロシュフォール(『髪結いの亭主』(1990)等)の扱いがちょっとかわいそうでした(この頃はまだ売れてなかったのかなー)。

公開当時は”豪華な料理がたくさん出てきてすごい!”みたいなふれ込みもあったような気がしますが、この点に関しては今見るとちょっとおとなしい感じですね。私たちが普段テレビや雑誌で”すごい”料理を目にする機会が増えたからでしょうか?食事の前に観てお腹を減らしたい(やせるという意味ではありません)という方には『リストランテの夜』(1996)の方がお勧めですね。
しかし料理を題材にしたカラフルで後味の良いコメディー/ミステリーということで星は3つ星(やっぱり)です。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送