No.57
タイトル
カリフォルニア・スイート
(原題)
CALIFORNIA SUITE
監督
ハーバート・ロス
キャスト
マイケル・ケイン、ジェーン・フォンダ、ウオルター・マッソー他 
制作
1978年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
102分
評価
★★★
<ストーリー>
舞台はアカデミー賞授賞式会場のビバリーヒルズ・ホテル。まずそのホテルにやって来たのはアカデミー賞にノミネートされた女優ダイアン(マギー・スミス)とその夫シドニー(マイケル・ケイン)。その他にもヴァカンスにやって来た2組のカップルに、息子の成人式にやって来た夫婦、等々。そして豪華なホテルを舞台に様々な人間模様が繰り広げられる.......。


<コメント>
『愛と喝采の日々』(1977)、『フットルース』(1984)等の作品で映画業界を支え続けたハーバート・ロス監督の作品。脚本は『名探偵登場』のニール・サイモン。
カリフォルニアの豪華なホテルの中で繰り広げられる4つの物語を、ちょっと皮肉な味付けでコミカルに綴った作品です。

ホテルが舞台で4つの物語というとクエンティン・タランティーノも監督した『フォー・ルームス』(1995)を思い浮かべますが、この作品は完全なオムニバス形式ではなく、4つの作品が重なり合って進行します。
どの物語にも様々な衝突が発生し(人間の衝突もあれば車の衝突もあります)、インテリと思われる登場人物達は辛辣で皮肉な会話を大量にやりとりします。この会話を追っかけているだけで面白くて飽きません(ちなみにアカデミー賞=ハリウッド?も皮肉られています)。
しかし、多くの言葉をもってしても本心を語れない者、言葉のやり取りでは結局解決しない事、短いけれどちゃんと気持ちを伝える一言、等々それぞれのエピソードは、そういった一見知的な会話をあざ笑うかのようです。この辺りニール・サイモンの脚本はなかなか楽しませてくれます。

キャスティングも良く、オスカー候補の女優の夫で両刀使いという、とぼけた役を演じたマイケル・ケイン、娘を巡って前夫と対立する強気な女性を演じたジェーン・フォンダ、女好きの兄弟に翻弄される憎めない男を演じたウオルター・マッソー、その他マギー・スミス、リチャード・プライアー等々。それぞれの俳優のキャラクターをうまく生かした人物設定だと思います。
単なるドタバタに終わってしまう物語やちょっと描き方がもの足りないもの等、各作品の出来にばらつきがあったのが残念ですが、軽妙でひねりの効いた演出が楽しい作品です。
なお、ハーバート・ロス監督は今年10月に心不全のため76歳で亡くなりました。残念です。

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