No.201
タイトル
妻への恋文
(原題)
LE ZEBRE
監督
ジャン・ポワレ
キャスト
ティエリー・レルミット、カロリーヌ・セリエ、クリスチャン・ペレイラ他
制作
1992年/フランス
ジャンル 恋愛ドラマ
上映時間
90分
評価
★★
<ストーリー>
イッポリート(ティエリー・レルミット)は結婚15年目の働き盛り。教師の妻カミーユ(カロリーヌ・セリエ)と二人の子供に囲まれ、結婚生活はしあわせそのもの。しかし、そんな夫婦に漂い始めた「倦怠」ムード。イッポリートは恋愛当時の情熱を求めるものの妻はそうでもない様子。そんな時、カミーユの元に一通の手紙が届く.....。

<コメント>
もともと『髪結いの亭主』(1990)のパトリス・ルコントが監督するはずだった脚本を、フランスで有名な劇作家のジャン・ポワレが自身の妻であるカロリーヌ・セリエを主演に撮った作品です。J・ポワレは1979年に『Mr.レディMr.マダム』という作品の脚本を手がけ、アカデミー賞・脚色賞にノミネートされたこともある実力派ですが、この劇場用映画初監督作を撮り終えた後、急死してしまいました。残念。

内容はいかにもルコントにお鉢が回ってきそうな恋愛もの。結婚して15年が経ち、妻との関係が醒めてくることを恐れた夫が仕掛けたちょっとした罠。夫は自分の名前を隠し、自分の妻にラブレターを送り続けます。そのあまりの激情的な内容に戸惑いながらも徐々に心を開いていく妻。こう書くと多少ネタばれに思われるかもしれませんが、邦題がそのものズバリになっているのでしょうがないですよね?もちろん、それだけがオチの作品ではありませんのでご心配なく。
本作で特筆すべきは妻役のカロリーヌ・セリエの美しさ。倦怠期を迎えた夫婦とは言え、まだまだ、というか色気的には全盛に思えます。彼女が差出人のわからない手紙に不安がる様子や、夫の提案でゲームに興ずるところ等、見ていてかわいいですね。ただ、残念ながらそれが逆にリアリティを失わせている気がします。こういう妻なら少なくとも夫の方の愛情は醒めないだろうに、と。で、夫の愛が醒めなければ妻の方もしかり、というのは一方的で青い意見でしょうか。また、いくら愛情を復活させるためとは言え、夫の涙ぐましいまでの必死さが、逆に滑稽に思える場面も。さらにこのあたりの描写が結構だらだらとした感じでいただけません。J・ポワレは喜劇俳優・作家ですから、あえてこだわったのかもしれませんが。前半の夫のとぼけた日常と妻の感情の高まる様子の対比はなかなか引き込まれるだけに残念。二人を熱くさせるための仕掛けという意味では、手紙の主が夫だったと言う設定だけでも十分だったのかも(もちろんその時は邦題を変える必要がありますが)。ラストも納得いかないですねー。ここは少なくともやはり手紙でしょう、みたいな。結局何が言いたかったのか不明のままです。
個人的には、夫がバレないように恋文を送り続け、やがて妻がその架空の男に猛烈に恋心を抱き、結局夫は正体を明かさず、ずっと第3者として妻を愛し続けるなんていうのも面白いのではないかと思いますが。そうでなければやはり夫が妻の愛情が醒めるのを恐れて、妻との愛を取り戻した直後に死んでしまうというのがフランス映画っぽい(というかルコントっぽい?)ストーリーかも。まあ、いずれにしても愛情を保ち続けるには大変な努力がいると言うことでしょうか。

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