No.224
タイトル
ヴィクトリー/遥なる大地
(原題)
VICTORY
監督
マーク・ペプロー
キャスト
ウィレム・デフォー、イレーヌ・ジャコブ、サム・ニール他
制作
1995年/イギリス、フランス、ドイツ
ジャンル ドラマ
上映時間
106分
評価
★★★
<ストーリー>
1913年、東インド諸島に赴任したアレックス(ウィレム・デフォー)は、バンドの一員であるアルマ(イレーヌ・ジャコブ)に惹かれる。バンドでも不遇を強いられていたアルマは彼を受け入れ、二人は恋に落ちる。しかし一人の邪悪な男ジョーンズ(サム・ニール)の出現によって二人は逃れられない悲劇的な運命をたどることになる.....。

<コメント>
『地獄の黙示録』(1979)、『サボタージュ』(1936)等の原作者であるジョセフ・コンラッドの同名小説を映画した作品。東インド諸島を舞台に繰り広げられる三人の男と一人の女との人間関係を描いたドラマ。監督は『シェルタリング・スカイ』(1990)、『ラストエンペラー』(1987)等の脚本を手がけたマーク・ペプロー。本作でも自ら脚本を手がけています。
個人的には、前述の作品の脚本を手がけているマーク・ペプローの監督作ということ、しかも出演が怪優ウィレム・デフォー、演技派サム・ニール、『ふたりのベロニカ』(1991)のイレーヌ・ジャコブ等、個性的な魅力あふれる俳優陣が顔を揃えていることから結構期待しました。さらにイギリス、フランス、ドイツの合作とくれば、かなりの大作の予感。しかしながら、見終わってみると不満が残る結果となりました。大きなマイナス点というのはないと思うのですが、そもそも主人公のニ人が演じる恋愛が今ひとつ熱くない気がするんです。イレーヌ・ジャコブの演技がちょっと冷静すぎるのでしょうか。どちらかというと知性や気品を感じさせる美しさを備えた女優ですからね。なので、そういう関係に嫉妬を抱く悪役が絡んできても、何か全体的に淡々としている感じなんです。もともとは熱烈に愛し合った二人なのに、ふとしたことから女の心情が変化し、お互いの関係に微妙な影をもたらす、みたいな”うねり”が欲しかった気がします。後、舞台となる国の背景や人々の生活の描写が生々しさに欠けるため、異文化世界に放り込まれ翻弄される人間の戸惑いと葛藤みたいなものもあまり感じられませんでした。まあこれは、原作を読んでいませんので、期待しすぎただけかもしれませんが。
全体的にはもっと官能的な色合いが強くても良かった気がします。ラストも中途半端な伝記ものという雰囲気の終わり方でちょっと残念。あっさりした感じ。ひょっとしたら主要人物のキャスティングが良くなかったんでしょうか。ウィレム・デフォーも彼にしては普通(?)の役柄ですからね。異国の地で孤独感を抱えながら生きる男が、その繊細さゆえに出会った女に翻弄される。そういう意味ではもう少し優男(デフォーが必ずしもそうではないとは言いませんが)であれば印象も違ったのかもしれません。サム・ニールが主人公で、ウィレム・デフォーが悪役(マーティン役)になるとかね。
ということで最初に期待したほどではありませんでしたが、映像的に凝っている場面もあり、それなりに見ごたえはありました。

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