No.259
タイトル
ヴァージン・フライト
(原題)
THE THEORY OF FLIGHT
監督
ポール・グリーングラス
脚本
リチャード・ホーキンス
キャスト
ヘレナ・ボナム・カーター、ケネス・ブラナー、ジェマ・ジョーンズ他
制作
1998年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
103分
評価
★★★
<ストーリー>
保護観察処分をまぬがれるため、120時間の社会奉仕活動をすることになったリチャード(ケネス・ブラナー)が世話をすることになったのは、無理難題を吹っかけてくる、およし難病患者らしからぬ娘ジェーン(ヘレナ・ボナム・カーター)。18歳で発病する前にセックスを体験しておかなかったことを後悔する彼女は、リチャードにロスト・ヴァージンを依頼するが.....。

<コメント>
『ハワーズ・エンド』(1992)や『鳩の翼』(1997)』等で確かな演技を披露したヘレナ・ボナム・カーター主演のドラマ。相手の男性役はケネス・ブラナー。監督は『ボーン・スプレマシー』を撮ったイギリス出身のポール・グリーングラス。

難病の身障者役を演じるヘレナ・ボナム・カーターはさすがにうまいんですが(しかし、この人はホントに演技の幅が広いですねえ)、どうにもケネス・ブラナーがあまり好きになれないんですよね。ちょっとわざとらしさが見え隠れする感じがして。かの失敗作『ワイルド・ワイルド・ウェスト』(1999)の印象がぬぐえないんでしょうか...。コミカルな役のときはそれでもよいのかもしれませんが、本作では多少精神のバランスを失った男というある意味難しい役どころ。うーん。顔の表情やしぐさは面白いんですけどね。さらに自分で作った飛行機でのフライトや主役の彼女のための銀行強盗等のエピソードが絡んでくると、から回りしている感も。もちろんそういう現実離れした事件がなければリアリティがあるかというと、そうではないと思いますが。また、本作は”身障者の性”という問題を扱っていますが、このテーマに対して真っ向から重く、深く描くと言うよりは、女性の心情を中心に恋愛ものとして見るのが正解だと思いますので、あまり突っ込まなくてもよいのかもしれません。そう考えると、ケネス・ブラナーの”軽さ”も必要なのかもしれませんね。でもやっぱり鏡の前で銀行強盗の練習をするシーン等、ごめんなさい、ちょっと寒いです。
主役の女性がジゴロに身を任せるシーンが、身障者というよりは単純に女性の視点で描かれているあたりも含め、テーマの扱い方としては全体的にバランスが取れている気がしました。このぐらいの”軽さ”をもった作品って少ないかもしれませんね。その分、強烈に何かを訴えてきたり、考えさせられたりする熱は低めですが、それでもラストシーンは荒涼とした風景と相まって印象的でした。使われている音楽にあまり新しさが感じられず、さほど効果的でないところがちょっと残念。

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