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タイトル
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二重誘拐 |
(原題)
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THE CLEARING |
監督
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ピーター・ジャン・ブルージ |
脚本
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ジャスティン・ヘイス |
キャスト
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ロバート・レッドフォード、ウィレム・デフォー他 |
制作
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2004年/アメリカ |
ジャンル |
サスペンス |
上映時間
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92分 |
評価
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★★ |
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【 ストーリー 】
レンタカービジネスで成功し、妻アイリーン(ヘレン・ミレン)と共に豪邸に暮らし、幸せな生活を送っていたウェイン(ロバート・レッドフォード)。ある日、アーノルドと名乗る男(ウィレム・デフォー)に白昼堂々誘拐されてしまう。早速、FBIが捜査に乗り出すが、事態は好転せず、さらに幸せの家族の闇の部分が明らかになっていく...。
【 コメント 】
『ブルワース』(1998)や『インサイダー』(1999)などの製作に関わっていたピーター・ジャン・ブルージが監督まで手がけた作品。
劇場公開では観ていませんでしたので、ロバート・レッドフォード、ウィレム・デフォー、ヘレン・ミレンという大スターの演技がぶつかり合う本格派サスペンス・ドラマ?と期待したのですが、いわゆるハリウッド風の派手さはなく、誘拐した側とされた側の男の対話で進行していく地味な展開でした。
サスペンス・ドラマですが、犯人探しではなく、最初から犯人はわかっていて、人質とのやりとり、被害者夫婦の人間関係に焦点が当てられています。ウィレム・デフォーが演じる犯人アーノルドは、生活も満たされず、家族はいるものの孤独の中に生きる男。一方、誘拐されたロバート・レッドフォード演じるウェインは、仕事も順調で温かい家庭があり、恵まれた人生を歩んでいます。ウェインを誘拐したアーノルドは、圧倒的に強い立場にあるはずですが、ウェインを山小屋に連れて行く道中、彼と対話を重ねるうちに、己の孤独さを暴かれます。また、ウェインも心理的に攻撃をしながらも、人間として、男としての弱みをさらけ出していきます。
人生の下り坂に差し掛かった男同士の間に芽生えるのは、友情に似た感情なのか、それとも...。
思ったほどの派手さはないものの、前半は捜査に乗り出したFBIの怪しさもあって、独特の緊張感を保ったまま物語は進行していきます。犯罪の中で思わず浮き彫りになる被害者ウェインとその妻との人間関係。一風変わったアプローチはなかなか興味深いのですが、後半以降、かなり展開が冗長になってしまいます。サスペンスとしてもさほど盛り上がらず、さらに最後もインパクト不足。ウェイン夫婦の関係も余韻を感じさせるほどではありませんし、アーノルドにしても、もっと深くて暗い狂気を抱えていたはずで、そこを見せて欲しかった気がします。ウィレム・デフォーゆえに、ちょっと期待しすぎた感も無きにしも非ず、ですが。
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