No.431
タイトル
ザ・ビーチ
(原題)
THE BEACH
監督
ダニー・ボイル
脚本
ジョン・ホッジ
キャスト
レオナルド・ディカプリオ、ティルダ・スウィントン他
制作
1999年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
118分
評価

【 ストーリー 】
バンコクを一人旅するリチャード(レオナルド・ディカプリオ)は、安宿でダフィ(ロバート・カーライル)と名乗る奇妙な男と出会った。ダフィは、”伝説のビーチ”についてとり憑かれたように語った。そこは、美しすぎるほどに美しく、日常の全てから解放される夢の楽園。その翌朝、一枚の地図を残してダフィは変死していた ...。

【 コメント 】
90年代後半にカルト的人気を得たアレックス・ガーランドの小説『ザ・ビーチ』を、『トレインスポッティング』(1996)で注目を浴びたダニー・ボイル監督が映像化、製作・編集にも同作のメンバーが集結。さらに主演には、大ヒット作『タイタニック』(1997)で世界的大スターの仲間入りをしたレオナルド・ディカプリオをキャスティングするという、ある意味贅沢な作品。
ディカプリオ演じるアメリカ人・リチャードが、伝説の楽園を求めて旅をし、やがて楽園にたどり着くものの、そこには現実世界を超える人間社会の欲望と傲慢が渦巻いていたという物語。

序盤はリチャードを楽園に導くダフィを演じるロバート・カーライルの熱演もあり、なかなかの盛り上がり。これは90年代の『地獄の黙示録』か、と思わせる迫力がありますが、残念ながら盛り上がるのはそこだけです。その後は、話題の小説をベースに、大スターをキャスティング、で、旬の監督に撮らせましたという、いかにもな展開となってしまいます。
ダニー・ボイル特有のリズム感のあるシュールな映像もそれなりに盛り込まれているものの不発。肝心の楽園であるビーチは、映像的に美しいのですが、今の時代に見ると、おそらくCGを駆使すればもっと...と思ってしまうのも事実。全体的に原作の小説のような読み始めたら止まらないような高揚感もなく、島にたどりついてからの人間ドラマも希薄、そしてラストにも?。これで島に暮らす住民のキャスティングが、世界各国の人種にきれいに分かれていれば、楽園=地球を自らのエゴで破壊してしまうアメリカ人の愚かさを暗喩的に描いた作品として評価されたかもしれませんが。

ダニー・ボイル監督の作品では音楽も重要。さすがに音楽については選曲・使い方ともに抜群です。サントラのラインナップを見ても、レフトフィールド、モービー、アンダーワールド、モリ・カンテ(リミックス)、ニュー・オーダー、U.N.C.L.E.などなど、90年代のイギリスの重要メンバーが一望できます。作品としての勢いはあるだけに惜しいです。

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