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タイトル
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シモーヌ |
(原題)
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S1MONE |
監督
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アンドリュー・ニコル |
脚本
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アンドリュー・ニコル |
キャスト
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アル・パチーノ、レイチェル・ロバーツ他 |
制作
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2002年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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117分 |
評価
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★★ |
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【 ストーリー 】
アカデミー賞にノミネートされた経歴を持つ映画監督、ヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)も、今は失敗作が続く日々。新作の主演女優であるニコラ(ウィノナ・ライダー)にも降板され、元妻でプロデューサーのエレインにクビを言い渡されてしまう。そんな彼に、謎の男ハンクが、起死回生の秘策を授けに来る。それは理想の女優を作ることが出来るコンピューター・ソフトだった...。
【 コメント 】
『ガタカ』(1997)のアンドリュー・ニコル監督作品。冒頭からハリウッドスターのわがままぶりを描写したり、映画制作の裏話的なエピソードを挿入したり、なかなか毒が効いています。さらにアル・パチーノが演じる主人公のタランスキー監督がNYインディーズ出身を匂わせる設定でもあり、CGの多用によって映画そのものが衰退していくという、カウンターカルチャー側からのメジャー批判もあるのかも?と期待させてくれます。CGの俳優が活躍することによって作品が評価されると言うことは、結局、監督の名声もCG俳優のおかげ、という二重の皮肉になっているところも面白いですね。また、映画を作る側だけでなく、それを報道する側が単純にだまされてしまったり、情報に振り回されてしまったりするところも滑稽です。
しかしながら、物語は中盤以降、そういった毒は抑えつつ、タランスキー監督が全世界を席巻するCG女優シモーヌと彼女を出演させた自身の映画を武器に、元妻との復縁をもくろむと言う、恋愛ドラマにシフトしていきます。
結局、シモーヌがCGであることをどうやって決着するかというところに物語は収束していくのですが、落しどころとしては中途半端に終わってしまいました。中盤以降はいろいろと予想を裏切る展開があり、かなり強引な部分はあるものの、単純にCGの役者が活躍するドタバタ劇に終わらせないようにしようとする努力が感じられただけに惜しい。アル・パチーノの魅力があまり引き出されていないところも残念です。彼がパソコン画面のシモーヌとやり取りする場面が多く、これがシモーヌの存在をよりリアルに感じさせてくれるのであればいいのですが、逆にアル・パチーノの孤軍奮闘ぶりだけがクローズアップされてしまい、ちょっと興ざめでした。
ヴァーチャルな存在であるシモーヌを得たことによって、自らのリアルな人生が変わってしまうという展開は面白いと思いますが、やっぱりCGの俳優は扱いにくい?
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