No.448
タイトル
ロープ
(原題)
ROPE
監督
アルフレッド・ヒッチコック
脚本
アルフレッド・ヒッチコック
キャスト
ジェームズ・スチュワート、ファーリー・グレンジャー他
制作
1948年/アメリカ
ジャンル サスペンス
上映時間
80分
評価
★★★★

【 ストーリー 】
大学を卒業したばかりの二人の青年ブランドン(ジョン・ドール)とフィリップ(ファーリー・グレンジャー)は、自らの優位性を証明するために、とあるアパートの一室で同級生のデヴィッドを絞殺。彼らは、その部屋にあるチェストに死体を詰め、そのまま何食わぬ顔で予定していたパーティを始める。やがて招待客が次々と現れる ...。

【 コメント 】
”サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコック監督が、1924年にシカゴで実際に起きた殺人事件(ローブ&レオポルト事件)を題材に制作した作品。
本作は、ヒッチコック監督初のカラー作品であったり、リアルタイムで時間が進行したり、どちらかというと内容よりも実験的作品という成り立ちによって語られることが多いように思います。
主演もその後ヒッチコック作品でお馴染みとなるジェームズ・スチュワートですし、他にもアパートから見える景色はすべてミニチュアだとか、トリビア的要素には事欠きません。まあ、そういうところがまさにヒッチコック作品であるわけなんですが。

実際、映画はとあるアパートの一室でのみ進行するわけで、であれば映画である必要はあるのかという問いも生まれますが、カメラワークの妙によって、登場人物の心情が表現されていたりサスペンス要素が演出されていたりするので、逆にこれは舞台では表現できないんじゃないかとすら思わされます。時間経過とともに揺れ動き、解体されていく犯人たちの心の奥底。まさにサスペンス。

ちなみに、この殺人事件はリチャード・フライシャー監督の『強迫/ロープ殺人事件』(1959)、トム・ケイリン監督の『恍惚』(1992)として、3度映画化されています。犯人の動機はある種の哲学性を含んでいると思いますが、そのあたりをさらりとまとめ上げ、サスペンス要素を前面に押し出したのがヒッチコック作品ではないでしょうか。単純にドキドキしながら見たいのであればやはりオススメ。トム・ケイリン監督は、実在の犯人の二人が同性愛者であったことに注目し、二人の関係に重点を置いています。これも違う視点で興味深い作品です。リチャード・フライシャー監督作品は個人的に未見なのですが、彼らの弁護を行う弁護士にオーソン・ウェルズがキャスティングされているので重厚な人間ドラマとして仕上がっているのかもしれません。それぞれを見比べてみるのも面白いと思います。

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