No.204
タイトル
ザ・ペーパー
(原題)
THE PAPER
監督
ロン・ハワード
キャスト
マイケル・キートン、マリサ・トメイ、グレン・クローズ他
制作
1994年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
112分
評価
★★★★
<ストーリー>
タブロイド紙の中堅編集者ヘンリー(マイケル・キートン)。今日は大手新聞社への移籍の為の面接の日。妻マーサ(マリサ・トメイ)は出産でイラ立ち、女上司アリシア(グレン・クローズ)とは毎度の大喧嘩。さらに、明日の一面を飾る殺人事件の犯人をめぐる裏情報をキャッチ。全ての山場が集中する中、締め切りは刻一刻と迫る.....。

<コメント>
実在の天才数学者の半生を描いた『ビューティフル・マインド』(2001)で2001年アカデミー賞・監督賞に輝いたロン・ハワード監督作品。コミカルな役から近年よく見られるような悪役まで幅広い役をこなせるマイケル・キートンを主役にニュー・ヨークの新聞記者の特別な一日を軽快に描いたコメディ・タッチのヒューマン・ドラマです。
アメリカ映画を見ていて楽しいと思うのは、スラップスティックなコメディやドタバタ劇ではなくて、何気ない日常の中で交わされるユーモアたっぷりの会話。もちろん、現実にアメリカ人が皆そういうやり取りを行っているわけではないかもしれないけれど、少なくとも日本人がやるより自然で楽しい(逆に日本の映画やテレビドラマで、そういうやり取りが行われていると身体中がくすぐったくなります...笑)。本作は最初から最後まで軽妙でユーモアのある会話にあふれ、もともとコメディアン出身のマイケル・キートン、ここでは少し感情を押さえ気味マリサ・トメイ、実力派グレン・クローズとキャスティングも最高で飽きさせません。ネタにした役人からの復讐を恐れる男、執拗にイスにこだわるダメ社員等々、小ネタも効いてます。
そういうコメディ的な笑いを誘う部分と、主人公の夫婦の人間関係を始め、グレン・クローズのキャリアの話、ロバート・デュバルのプライベートな悩み等、ヒューマン・ドラマとしての側面のバランスが上手く取れいていると感じました。ロバート・デュバルがグレン・クローズに語る収入の話は、いかにもアメリカ的で考えさせられましたね。このエピソードがあることで、それでも”事実”ではなく、あくまでも”真実”を追い求める記者たちの一途な姿にさらにグッと来るのだと思います。それに比べて日本はいかにテレビと新聞のメディアが強いか。それがいいかのどうか...。
ロン・ハワード監督と言えば『ビューティフル・マインド』(2001)、『アポロ13』(1995)、『バックドラフト』(1991)等、ハリウッド的大作志向の作品が評価されがち(実際に興行収入も良いみたいですが)ですが、個人的には本作や『スプラッシュ』等の小品っぽいのが好きですね。本作も、細かいところがよく出来ているなと思います。難を言えば、マイケル・キートンとグレン・クローズの喧嘩、バーで新聞記者が襲われるところ等、多少”やり過ぎ”の部分が散見されるところですが、まあ、重鎮ロバート・デュバルの暖かいエピソードや演技でバランスが取れていることにします。ランディ・ニューマンのいかにもアメリカな音楽もマル。
映画の中の人たちはめまぐるしく忙しいけれど、見る方はビールにポテトチップスでも用意して、ゆっくり楽しんでください。

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