No.312
タイトル
ミラクル・ペティント
(原題)
EL MILAGRO DE P. TINTO
監督
ハビエル・フェセル
脚本
ハビエル・フェセル、ギジェルモ・フェセル
キャスト
ルイス・シヘス、シルヴィア・カサノヴァ、パブロ・ピネド他
制作
1998年/スペイン
ジャンル ドラマ
上映時間
106分
評価
★★★
<ストーリー>
小さな頃からペティント(ルイス・シヘス)がずっと抱いていた夢は、たくさんの子どもたちに囲まれ、幸せな家庭で暮らすこと。そんなペティントは幼なじみのオリビア(シルヴィア・カサノヴァ)とめでたく結婚する。早速”タラリン、タラリン”と一生懸命子作りに励むのだが、一向に子どもに恵まれず.....。

<コメント>
スペインの鬼才ハビエル・フェセルが作り上げたファンタスティック・SF・コメディ。というかいろんな要素が混ざり合っていて、ジャンル分け不可能な作品です。脚本を手がけたギジェルモ・フェセルはお兄さん。”みんないっしょに タラリン タラリン”という宣伝コピー、ミシュランのような宇宙服を来たおじいさんのポスター、明るくポップでインパクトの強い色使い。内容、広告、すべてにおいて配給元の”パルコ”らしい、と言える映画かも。

モノクロ映像から始まりますが、本編は原色を多用したポップなもので、物語も意味があるようでないような不思議な作品。最初の10分で好き嫌いが真っ二つに分かれそうです。
子どもを欲しがる夫婦と、そこにやってきた子ども(?)の二つの物語が並行し、そこに宇宙人のトリオが絡んでくるという、一見すると難解な展開。宗教的なモチーフが扱われている部分(おそらく日本人には理解し難いところだと思います。私もよく分かりません)もあり、すべてを理解するのはおそらく無理だと思います。しかしながら、子どもが生まれない理由といい、25年に一度やってくる列車といい、お馬鹿なエピソードやブラックなジョークなどがたくさん盛り込まれていますので、あまり真正面から向き合わずに、寓話的な世界観を楽しむのが正解ではないでしょうか。そうやって付き合って見ると、笑える場面もありますし、映像の楽しさ、登場人物のキャラクターの魅力、テンポの良い演出などから、飽きることはないと思います。
万人に受けるテイストのものではないものの(スペインでは大ヒットしたとありますが、本当かなあ...)、適度なファンタジーの度合いやおしゃれで印象的な音楽の選び方・使い方は一見の価値ありです。『アメリ』(2001)や『デリカテッセン』(1991)などのヨーロッパ映画+単館系(?)がお好きな方にはオススメ。これだけポップで混沌としていながら、ラストは何となくジーンとしてしまうあたりがこの作品の不思議な魅力です。

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