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タイトル
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マスカレード 甘い罠 |
(原題)
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MASQUERADE |
監督
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ボブ・スウェイム |
脚本
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ディック・ウルフ他 |
キャスト
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ロブ・ロウ、メグ・ティリー他 |
制作
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1987年/アメリカ |
ジャンル |
サスペンス |
上映時間
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92分 |
評価
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★★ |
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【 ストーリー 】
富豪に雇われてレース用ヨットの船長を務めることになったティム(ロブ・ロウ)は、密かに夫人のブルック(キム・キャトラル)と不倫を重ねる仲になる。そんな折、寄宿舎生活から戻ってきた令嬢オリヴィア(メグ・ティリー)と知り合う。彼女が莫大な遺産の相続人だと知ったティムは彼女に近づき親しくなるが...。
【 コメント 】
アカデミー賞ノミネートの経験もあるメグ・ティリー(『再会の時』 (1983)、『アグネス』(1985)など)演じる令嬢オリヴィアをめぐって繰り広げられる罠と裏切りのサスペンス・ドラマ。主演は、数々のスキャンダルに翻弄されながらも何とかスター街道を歩いている感のあるロブ・ロウ。大きな賞には恵まれない彼ですが、本作では善と悪の間で暗躍するジゴロ役を好演しています。
冒頭のヨットのシーンから、ロブ・ロウが登場して不倫を重ねる序盤は成り上がり的な青春ドラマを思わせます。さらにメグ・ティリーの若々しくて清楚な美しさも必見。彼女の幼馴染も登場し、恋愛ドラマの様相を呈してきます。ところが、彼女が相続する膨大な金額の遺産が明らかになるあたりから、物語は人間の欲と野望が渦巻く愛憎劇への舵を切ります。まさにタイトル通りの”仮面舞踏会”。
最近では映画化もされた人気のTVシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』のサマンサ役で人気のキム・キャトラルもいい味出しています。
青春ドラマ的な幕開けから、さまざまなどんでん返しが続き、なかなか先を読ませない展開は”裏切り系”サスペンス・ドラマの王道と言えるでしょう。ロブ・ロウのいい意味でのどっちつかずの演技も、ストーリーを読ませない仕掛けに一役買っています。しかしながら、殺す相手を愛してしまった男のドラマと捉えるにはひっ迫した感じが希薄ですし、かといって、男たちに翻弄された女性が欲望の中にも本当の愛を見出したドラマというには、切なさが足りません。
全体的には、『太陽がいっぱい』のような、欲と愛におぼれた美青年の廃残を演出したかったのかもしれませんが、それなりに退廃的な雰囲気はあるものの、やはりどこかB級を感じさせる仕上がりでした。
しっかりした伏線を張らずにあまり突飛などんでん返しを連発すると、緊張感が無くなっていく残念な例。特にアメリカではこのレベルの物語はTVシリーズでもたくさんありますから。
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