No.381
タイトル
マジェスティック
(原題)
THE MAJESTIC
監督
フランク・ダラボン
脚本
マイケル・スローン
キャスト
ジム・キャリー、マーティン・ランドー他
制作
2001年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
153分
評価
★★★

【 ストーリー 】
ある海岸にひとりの男が打ち上げられる。その姿を見て、驚き、狂喜する人々。「戦死したと思っていたルークが帰還した!」彼の年老いた父や恋人は喜びに涙する。しかし、男には自分が誰なのか分からなかった。記憶の無いまま、ルークとして生きる道を歩み始めた男は、父が経営する古い映画館の再建に乗り出す.....。

【 コメント 】
『ショーシャンクの空に』(1994)、『グリーンマイル』(1999)に続くフランク・ダラボン監督の”希望”をテーマとした三部作(?)のひとつ。1950年代にアメリカで起こった”赤狩り”をテーマに、真実を求める人間の強さと映画に対する愛情を描いた作品。
主演は90年代にコメディアンとしての地位を確立したジム・キャリー。それまでもいろんな作品でところどころシリアスな演技を披露していましたが、本作ではお笑いを封印し時代に翻弄される若者の姿に真っ向から取り組みました。

ハリウッドの脚本家が身に覚えの無い赤狩りにあい、不慮の事故から記憶喪失になる。さらには、そのまま見ず知らずの他人に間違われ、映画館を再建するという難しい役どころ。ちょっと軽い感じは否めませんが、とりあえず無難にこなしているといえそうです。ただ、他のキャスティングが結構渋いラインナップで、良くも悪くもジム・キャリーが目立ってしまう結果に。彼の演技をどう受け取るかで賛否が分かれるかもしれません。

映画、及び映画館に対する愛情が描かれる前半は映画ファンとして観ていて温かい気持ちになりますが、後半の政治的展開になると、感動しつつも少し醒めてきます。
赤狩りの是非などは置いておいて、とりあえず、自分の信念に(というかアメリカの、ですね)基づき、真実を追い求める姿、そしてそれを受け入れていく国、人々。それらの描写から立ち上ってくるのは”人間万歳”ではなく”アメリカ万歳”...。
ラストシーンもそれなりに感動はありますが、いかにもハリウッド的な能天気さがちょっとうるさい感じです。いかに最後の最後にジム・キャリーに皮肉のこもった台詞を言わせたとしても。
人の意志や心を支えるような希望とは実は絶望の中から生まれるもの、そこがもっと伝わってきて初めて人間の魂の強さが垣間見えるのかも。それでも、150分を超える作品としてはうまくまとまっていると思います。

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