No.328
タイトル
ブロンクス/破滅の銃声
(原題)
JUMPIN' AT THE BONEYARD
監督
ジェフ・スタンツラー
脚本
ジェフ・スタンツラー
キャスト
ティム・ロス、アレクシス・アークエット他
制作
1991年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
101分
評価
★★
<ストーリー>
N.Yブロンクス。マニー(ティム・ロス)とダディ(アレクシス・アークエット)は仕事もなく、自分の居場所を必死で探す毎日。二人は「この荒みきった自分達の生活を何とか良い方向に向けてやろう」という固い決意をするが、何も持たず、何にも求められていない二人にできることといえば、街を徘徊し暴力に頼ることだけだった.....。

<コメント>
邦題の副題として”破滅の銃声”とあるので、NYを舞台にしたアクションもの、と思われるかもしれませんが、内容的には貧困と暴力の中に生きる二人の兄弟の様子を淡々と描いた作品です。
映画作品としては地味な雰囲気ですが、出演者は、ティム・ロス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェフリー・ライトと結構豪華。特に兄のマニーを演じるティム・ロスが相変わらずの存在感です。しゃべり方といい、歩き方といい、虚勢を張ったキャラクター作りがちょっとやりすぎのような気もしますが、あまり起伏のない脚本なので、このぐらいの方がバランスがいいのかもしれません。それに比べると弟・ダニー役のアレクシス・アークエット(ロザンナ・アークエットの弟)が今ひとつ冴えない印象。サミュエル・L・ジャクソン、ジェフリー・ライト共にチョイ役なので、作品全体に色を添えるほどではないのももったいないです。

物語は冒頭から弟が兄の家に泥棒に入るという救いのなさ。さらに弟はヤク漬け、兄も仕事を辞めたばかり。二人は母親を訪ね、更生施設に入る決心をしますが、全体的に物語からは夢や希望が剥ぎ取られているように感じられます。それがブロンクス、ということなのでしょうか。マニーは妻と別れた理由にも暴力が見え隠れしますし、弟にも何かと暴力を振るいます。弟の方は、恋人はいるものの同じくヤク中で、金も底をついて盗みを働くしかない状況。二人とも貧困の中で生きるしかありません。唯一救われるのは、兄マニーの弟に対する愛情が見て取れる部分ですが、それも大抵は暴力によって表現されるのが切ないところ。
二人のやり取りを中心に見せていくことである種のドキュメンタリーっぽさが演出されていますが、やはりなぜ二人がこんなにも追い込まれた状況になってしまったのかがもう少し深く描かれている必要性があると思いました。兄弟二人と父親との確執や母親との関係性もちゃんと見たかった。甘さを排した硬派なドラマがお好きな方へ。

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