No.287
タイトル
ヒルコ 妖怪ハンター
(原題)
ヒルコ 妖怪ハンター
監督
塚本晋也
脚本
塚本晋也
キャスト
沢田研二、竹中直人、上野めぐみ、室田日出男他
制作
1991年/日本
ジャンル ホラー
上映時間
90分
評価
★★★
<ストーリー>
異端の学説を唱える考古学者・稗田礼二郎(沢田研二)のもとに、亡妻の兄・八部(竹中直人)から手紙が届く。校内にある、悪霊を封じ込めた古墳が開かれ、ヒルコなる妖怪が地上に現れたという。稗田は妖怪センサーを手に旅立つ。大自然に囲まれた田舎町の中学校。八部は教え子の月島礼子とともに失踪していた.....。

<コメント>
日本の歴史や民話等を主な題材とした異色の作品で知られる漫画家・諸星大二郎氏の名作『妖怪ハンター』シリーズの『黒い探究者』をベースにしたホラー。監督は『鉄男』(1989)で邦画の新しい可能性を切り開き、近年は俳優としても確固たる地位を確立している塚本晋也。主役となる”妖怪ハンター”の異名を取る考古学者・稗田礼二郎役には歌手の沢田研二がキャスティングされています。

諸星大二郎氏の作品では、昨年『奇談』(2005)が映画化されました(ベースは同じく『妖怪ハンター』シリーズの『生命の木』。監督は小松隆志。稗田役は阿部寛)。こちらは原作に添ったストーリー展開で映像化されていますが、それに比べると本作はちょっとコメディ・テイストもあって、柔らかい印象。何せ武器がキンチョールですから...。脚本的にもいろいろ手が加えられています。まあもともと短編ですからしょうがないのかも。
公開当時は『鉄男』のアングラな雰囲気に比べると随分”まとも”に作ったなあという印象でした。稗田役に沢田研二を充てたのも、メジャーっぽいなと。それでも、沢田研二のおとぼけ振りがいい意味で作品にマッチしていて、こういうのもありだと思いました。もともと諸星作品には、ユーモアを含んだ作品も多いですからね。ただ、竹中直人の配役はちょっと疑問。もうちょっと真面目(?)な人がよかった。というか狙ったのだと思いますが、顔がインパクト強すぎです。しかしながら、全体としては原作の持つ、現実と異界が混ざり合う空気感のようなものも、ちゃんと表現されているのではないかと思いました。
作品の要となる特撮も時代を感じさせるものですし、どこかジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982)を彷彿させるところもありますが、ちゃんと作られています。あくまでB級ホラーとして、ですが。もちろん、原作となった漫画はB級どころか超A級のシリーズ作品。ということで、良くも悪くも”漫画”だから(諸星大二郎だから?)表現できる世界があるのだなあと改めて思いました。

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