No.480
タイトル
フットボール・ファクトリー
(原題)
The Football Factory
監督
ニック・ラヴ
脚本
ニック・ラヴ
キャスト
ダニー・ダイア、フランク・ハーパー他
制作
2004年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
87分
評価
★★★

【 ストーリー 】
30歳を目前にした男トミー(ダニー・ダイア)は、サッカーチーム”チェルシー”のサポーター。週末になると酒を飲んでドラッグを決めて、ライバルチームのサポーターと喧嘩してストレスを発散している。しかしとある酒場でナンパした女がきっかけで、宿敵のサポーターチームに追われる羽目に。嫌な予感が募る中、いよいよ戦いが始まる...。

【 コメント 】
ヨーロッパにおける熱狂的サッカーファン=フーリガンの抗争を描いた物語。監督は本作を始め、『必殺処刑人』(2007)、『パーフェクトゲーム 究極の選択』(2007)など、監督や製作総指揮として関わった作品はすべて日本未公開というニック・ラヴ。おそらく暴力描写が激しいのが原因ではないかと思いますが。本作然り。

フーリガンを描いた映画といえば、『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公を演じたイライジャ・ウッドが出演した『フーリガン』(2005)が思い浮かびます。ファンのチームへの忠誠心や友情の物語なども交えたコチラの作品と比べると、本作はまずサッカーシーンがほとんど出てきません。スタジアムでの乱闘シーンもなし。殴り合いはもっぱら街中で行われます。主人公の葛藤や友情など、青春物語的な部分も控えめ。とにかく登場人物たちは、血に飢えた動物のごとく、喧嘩する相手を捜し求めます。
30〜40代の男ども(中には妻や子供がいるメンバーも)が、ひたすら暴力とドラッグとセックスに明け暮れます。先の『フーリガン』もそうですが、こういう映画がどれだけのリアリティを持ちえているのか判断できないのですが、例え二割増しになっていると見ても相当怖いですね。イギリスの文化背景や現代の風俗を描写したエピソードもちらほら出てきますし、緊張感高まるシーンにアゲアゲなブリティッシュ・ロックは非常にマッチしていて、さらに全体のテンポも良いので、笑いも救いも無い『トレインスポッティング』という感じです。全体としてはフーリガンを肯定しておらず、最終的には暴力への警告を発していると思いますが、そういうメッセージ性はさて置き、主人公のトミーを演じたダニー以下、キャスティングんもリアリティがあり、乱闘シーンには本物のフーリガンが参加するなど、不満を押さえ込まず、言いたいことはいい、やりたいことはやるというフーリガンたちのある種のタフさと破滅的な日常がストレートに伝わってくる作品です。

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