No.296
タイトル
エヴリバディ・ラブズ・サンシャイン
(原題)
EVERYBODY LOVES SUNSHINE
監督
アンドリュー・ゴス
脚本
アンドリュー・ゴス
キャスト
ゴールディー、デヴィッド・ボウイ、アンドリュー・ゴス他
制作
1998年/イギリス
ジャンル アクション
上映時間
102分
評価
★★★
<ストーリー>
絶対的な信頼と血の繋がりで強く結ばれていたギャングスター、テリー(ゴールディ)&レイ(アンドリュー・ゴス)。だが彼らの絆は、刑期を境に崩れていく。出所後すぐにチャイニーズ・マフィアとの抗争に身を投じ、自分達のテリトリーの制圧に向けて暴走するテリー。一方暴力に血塗られた生活から脱却を求めるレイ。考え方の違いから二人の間に溝が出来始める.....。

<コメント>
90年代にイギリスで生まれた音楽ドラムン・ベース。そのシーンで特異な存在感を放っていたのが本作に主演したミュージシャンのゴールディ。さらにゴールディーと親交も深いデヴィッド・ボウイ(一時期、自身もドラムン・ベースに手を染めました)が出演となれば、90年代のクラブシーンに興味のある方は見逃せない。とは言え、バリバリのドラムン・ベースが聞けるかと言うとそうでもないところがファンとしては残念。それでもゴールディーの演技が切れ味鋭いので一見の価値ありです。デヴィッド・ボウイは控えめながらも存在感があってよいです。この人は本当に何やっても絵になりますね。監督は本作で脚本も手がけ、自らも出演しているアンドリュー・ゴス。

幼なじみの二人のギャングが出所してから繰り広げる愛と憎しみのバイオレンス・ドラマ、というといかにもありきたりな感じで、さらにオープニングの出所シーンが笑ってしまうほどベタなのですが、内容的にはいろいろと考えられています。
序盤はそれこそよくある流れですが、中盤以降、主役の二人の間の距離感が面白い。このあたりがひねられてますね。ただゴールディー演じるテリーの狂気を伝えるのに暴力的な描写が用いられるのですが、これにはちょっと嫌悪感も。この手の映画ではしょうがないのかもしれませんが。中国人マフィアとの抗争も、それまでの経緯もわからなければ、この後どうなるかも放ったらかし。とにかく暴力だけが暴走します。ただ、本作ではただ単に作品のテンションを上げるためだけに用いられているかというとそうでもなく、一応”テーマ”として存在している気がします。すべての物事を暴力で解決しようとするテリー。そして非暴力を訴える周りの仲間。それでも暴力を止められないところが切ないところ。暴力に対抗できるチカラは一体何なのか。ラストシーンの後、やはりまた暴力が解決手段として使われるのか。ゴールディーの演技もあって勢いを感じさせる作品です。

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