No.237
タイトル
ライアー
(原題)
DECEIVER
監督
ジョナス&ジョシュ・ペイト
キャスト
ティム・ロス、クリス・ペン、マイケル・ルーカー、レネー・ゼルウィガー他
制作
1997年/アメリカ
ジャンル サスペンス
上映時間
102分
評価
★★★
<ストーリー>
娼婦の惨殺死体が発見され、富豪の御曹司ウェイランド(ティム・ロス)が容疑者として連行された。二人の刑事ケネソウとブラクストンは供述の疑わしい彼を”嘘発見器”にかけ尋問する。だが、天才的な頭脳を持つウェイランドは巧みな話術で刑事たちを翻弄。逆に彼らの私生活の秘密を暴き出し、次第に形勢が逆転していく.....。

<コメント>
『海の上のピアニスト』(1999)のティム・ロス主演のサスペンス作品。殺人の容疑をかけられたIQ151の男と彼を取り調べる共に訳ありの刑事二人によって繰り広げられる心理ドラマ。嘘発見器という機械とそれぞれの登場人物の言葉によって、事件に隠された嘘と真実が明らかに。しかし、時間が進むにつれ、物語は複雑になっていきます。
ティム・ロスを始めとする、主演三人のキャスティングがよいのか、それぞれのキャラクターの絡み合いが面白くて最後まで飽きないですね。ただ、嘘発見器やアブサン等、サスペンスドラマにぴったりの小道具が登場する割に、全体に漂う”やばい”雰囲気は控えめ。ティム・ロスの緊迫感のある演技が中心となって作品を最後まで引っ張っていきますが、逆に彼がいなければ結構こけてたかも。
どちらかというと伏線を張り巡らせて最後にどんでん返し、というよりも、多少曖昧さが残っていることからさまざまな憶測や真実を引き出せる面白さが売りの作品ですが、脚本自体はところどころ無理がある感じ。観終わった後も、やられたという爽快感よりも、消化不良の感が強かったです。精神病の描写に関してはリアリティがあるのかどうかわかりませんが、そういう病気によって本人の記憶にも残らない所業を行うというくだりはあまり好ましい表現ではないように思います。映画の中のプロットとしても弱いですしね。残念ながら、1回ぐらいは見直すかもしれないけれど、何度も見たくなる、というほどではないです。
人間誰でも人に言えない悩みを抱えているものだという寓話的要素はあるかも。『ドラえもん』の作者・藤子不二雄さんの初期短編『T・M(タイムマシン)は絶対に』という作品を思い出しました。タイムマシンは絶対に完成しない。なぜなら個人から国家まで、知られたくない秘密はだれにでもあるから、というオチの作品です。人は誰しも知られたくない秘密を持っていて、そのために嘘をつく。そして嘘が嘘を呼び、やがて真実をも凌駕することがある。そう考えると怖い作品です。

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