No.73
タイトル
デンジャラス・マインド/卒業の日まで
(原題)
DANGEROUS MINDS
監督
ジョン・N・スミス
キャスト
ミシェル・ファイファー、ジョージ・ズンザ、コートニー・B・バンス他 
制作
1995年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
97分
評価
★★★
<ストーリー>
海兵隊に9年いた独身女性ルアン(ミシェル・ファイファー)は教師への夢が叶ってカリフォルニア州の高校に赴任が決まった。しかし受け持たされたクラスは”アカデミー・クラス”と呼ばれる学内きっての問題児ばかりが集まるクラス。ルアンは初日から生徒達に野次を飛ばされ無視される。一度はひるんだルアンだが生徒達の未来を信じ、独自のカリキュラムで粘り強く生徒達に向かって行く......。

<コメント>
スティーヴ・クローヴス監督の『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989)で大人の女の魅力をたっぷり振りまいてくれたミシェル・ファイファーが海兵隊上がりの教師を演じた学園ドラマ。悪ガキばかり集めたクラスに赴任した新任教師の物語。L・ジョンソンの自伝『ルアン先生にはさからうな』がベースになっています。

公開当時はミシェル・ファイファーが教師役を演じたことや実話がベースになっていること等がそこそこ話題になりましたが、なんと言ってもインパクトがあったのは”怒髪”ドレッド・ヘアのラッパー、クーリオが手がけた主題歌だったように思います。確かにスティービー・ワンダーの『Pastime paradise』をサンプリングした主題歌『Gangsta's paradise』のかっこ良さには驚いたものです。しかしそれによって逆にサントラ先行型の映画のような印象を受けたのも事実でした。
実際、ミシェル・ファイファーは頑張っているものの”海兵隊上がりの教師”というキャラクターには無理があるような気がしますし、実話がベースとはいえ、子供たちをキャンディや高級料理でてなずけるという”飴とムチ”が功を奏する(それで手なずけられる方もどうかと思いますが)等、多少ご都合主義的なところはあります。また生徒との約束を簡単に(ではないのでしょうけれど)放棄したり、解決できない問題もあったり、歯がゆい場面も目に付きます。ラストも思ったより貧弱でした。
そう書いてくると救いようの無い駄作のように聞こえるかもしれませんが、結果的には結構感情移入してしまい、最後にはとても爽やかな余韻を味わいました。意外にも。いろいろ考えたのですが、これには大きく2つ理由があると思います。
ひとつは割と早い段階で本当に悪いのは誰なのか、解決すべき問題は何なのかが提示されるということ。スティーヴ・クローヴス監督は自身が3人の息子を持つ父親であり、「この物語に心の奥深く感じるものがあった」と語っていますが、そういう監督の暖かい視点で撮られていることもあると思います(要するに生徒達は基本的に皆いい子達だと言う事が描かれているわけです。なので飴や料理に釣られてもそうおかしくはない)。
2つ目は授業の内容です。作中、主人公はお仕着せの教科書は使わず、あるミュージシャンの詩を題材に勉強を進めて行くのですが、その授業の内容がなかなか興味深いんです。普通に詩を教えているミシェル・ファイファーは結構リアリティがあって良いです。おそらくこのあたりに共感できるかどうかが分かれ目かもしれません。その詩に対する考え方や詩から教わったことなどがある種作品の主題とも重なってきますので。

しかしボ○・○○ラ○ってさすがに良い詩を書きますね。いろんなミュージシャンからもレスペクトされ、「ああいう風に歌いたかった」なんて言われるのもわかるような気がします(ここは別に伏せなくてもネタばれにはならないと思いますが、あえてご覧になっていない方のために伏せてみました。別に意地悪しているわけではありません。念のため)。

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