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No.270 |
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タイトル
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チェンバー/処刑室 |
(原題)
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THE CHAMBER |
監督
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ジェームズ・フォーリー |
脚本
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ウィリアム・ゴールドマン、クリス・リーゼ |
キャスト
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クリス・オドネル、ジーン・ハックマン、フェイ・ダナウェイ他 |
制作
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1996年/アメリカ |
ジャンル |
サスペンス |
上映時間
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113分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
1967年、KKK団のメンバー、サム・ケイホール(ジーン・ハックマン)は公民権運動に取り組む弁護士一家を爆殺する。時は流れ、死刑囚として刑務所に収監されているケイホールを、死刑反対論者の弁護士アダム・ホール(クリス・オドネル)が再審と弁護を志願。アダムは名を変え移住した後、自殺したケイホールの息子の子。つまりケイホールの孫だった.....。
<コメント>
アメリカを代表する歌姫、マドンナ主演の映画『フーズ・ザット・ガール』(1987)のジェームズ・フォーリー監督作品。原作は法廷サスペンスの第一人者、ジョン・グリシャム(『依頼人』(1994)、『ザ・ファーム/法律事務所』(1993)等)。死刑執行を間近に控えた老囚人の弁護にあたったのはその孫。祖父の死刑確定に際して自殺した父への想いもあり、祖父の無実を信じ晴らそうとする。そして懸命の調査の結果あぶりだされる意外な真実...。
過去の事件の真相を追求するサスペンスとしての部分と、家族の絆の物語を並行させたドラマで、いろんな伏線がギリギリまで作品を引っ張るため、最後まで緊張感は途切れませんが、ジョン・グリシャム原作の他作品と比べると若干地味な印象も。その分、死刑囚役にジーン・ハックマン、主人公の伯母役にフェイ・ダナウェイと信頼できるベテラン俳優を配しています。ジーン・ハックマンはさすがの演技で、自身の信念を貫きながらも孫の一途さに徐々に心を開いていくさま、クライマックスの処刑室での表情の演技等、素晴らしいですね。主演のクリス・オドネルは熱演で悪くありませんが、今ひとつ印象は薄いかも(『バットマン』シリーズのロビン役でもそうでしたねえ)。さらにもったいないのはフェイ・ダナウェイ。もっと彼女の役を掘り下げて描けば結果は違った気がしますが。残念ながらフェイ・ダナウェイはこの年のラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)のワースト助演女優賞にノミネートされてしまいました。個人的に大好きな女優さんなのに...。
毒ガスによる死刑に関して詳細に説明する等、死刑制度や方法に関する問題提起を行っているように思うのですが、ちょっと物足りない感じがしました。”地味な印象”と申し上げましたが、もっと長尺でもよいドラマかもしれません。KKKや政治のテーマも絡んできますからね。ジーン・ハックマンの迫真の演技を含め、手に汗握る法廷サスペンスものとしてカタルシスを得ると言うよりも、いろいろと考えさせられるきっかけになる作品だと思います。 |
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