No.180
タイトル
ブリンクス
(原題)
THE BRINK'S JOB
監督
ウィリアム・フリードキン
キャスト
ピーター・フォーク、ジーナ・ローランズ、ピーター・ボイル他
制作
1978年/メリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
106分
評価
★★
<ストーリー>
少年時代から泥棒ひと筋に生きてきたトニー(ピーター・フォーク)。スリ、万引き、こそ泥...スケールの小さい盗みは数知れず行ったが、彼には取っておきの計画があった。ブリンクス警備保障株式会社。ここではこの街の大きな企業の給料を管理している。その金額は計り知れない。そして計画を実行するために6人のプロ達がトニーの元に集まった.....。

<コメント>
『フレンチ・コネクション』(1971)、『エクソシスト』(1973)を世に送り出したウィリアム・フリードキン監督が手がけた作品。主人公は『刑事コロンボ』シリーズでおなじみのピーター・フォーク。相手役がジーナ・ローランズと来ればカサヴェテス監督の『こわれゆく女』(1975)何かを思い出してしまいますが、今回ジーナの存在はほとんど表に出てきません。泥棒家業に身を費やす主人公とその仲間たちが繰り広げる一世一代の大仕事がストーリーの中心です。『エクソシスト』の監督がそこそこヒットした次作『恐怖の報酬』に続いて放つ作品ということで、公開当時は札束を投げ合ってはしゃぐピーター・フォークの姿が大々的に宣伝され、結構鳴り物入りだった気がします。
実話がベースになっているとはいえ、主人公の人となりについては全く知らないのですが、それでもピーター・フォーク演じるトニーのキャラクターは人情味があって魅力的です。決して褒められることをやっているわけではないのですが、一本筋が通っている感じが頼もしいですね。それでいてどこかとぼけた味がある。主人公を取り巻く仲間たちも、おっちょこちょいな奴、少しキレた奴、腹に一物抱えた奴と色とりどり。こういった登場人物がみんなで盗みを働く、という設定だけで期待度満点。
で、前半は盗みのターゲットの設定から綿密な下調べ、呉越同舟の人間模様等、期待通り単純に楽しめるのですが、後半、FBIが動き出し、彼らが次第に追い詰められていくあたりから興味半減。がらっと変わったテイストになじめませんでした。犯行を成功させるまでをねちっこく演出すれば『大脱走』(1963)級の作品にもなったのではないかと思えるだけに、残念。犯罪の成功だけを描写して映画を終わらせるのは道徳的に良くないとかあるのかもしれませんが。結局、映画作品としては中途半端で、事実をなぞりながら映像化しただけに終わってしまったという感じです。
作中、経済的な不況や社会主義に対する拒絶反応が描写されていたり、大企業や公安という”体制”への反骨精神等、当時のアメリカを包んでいた空気を感じさせるあたり捨てがたい味があるんですけどね。
名作をリメイクした前作『恐怖の報酬』はそもそも脚本が面白かったし、ドイツのテクノバンド「タンジェリン・ドリーム」の不気味な音楽が印象的で雰囲気のある作品でしたが、本作はピーター・フォークの渋い演技だけが光っています。以降のウィリアム・フリードキン監督の作品は演出がべたーっとした印象なんですよね。最新作『ハンテッド』(2003)はなかなかでしたが、やっぱり主役で役者としても脂が載っているベニチオ・デル・トロとベテラン、トミー・リー・ジョーンズに助けられた感は否めませんでした。復活してほしい。

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