No.1
タイトル
PNDC-エル・パトレイロ
(原題)
EL PATRULLERO
監督
アレックス・コックス
制作
1991年/日・米・メキシコ
ジャンル アクション
上映時間
103分
評価
★★★★
<ストーリー>
主人公は警察学校を出たての理想に燃える青年ペドロ(ロベルト・ソサ)。正義感から他の警官たちのように賄賂を受け取ることが出来ないペドロは、妻からは稼ぎが少ないとぼやかれ、上司からは左遷を命ぜられてしまう。理想と現実の違いを知り、いつしかペドロも賄賂を受け取り、売春婦と浮気をしアルコールに溺れてゆく。そんなとき、同僚が麻薬事件に巻き込まれる事件が起きる...。


<コメント>
前半、主人公のペドロは、警察学校こそ優秀な成績で卒業するものの、正義感だけが先行し、現場では失敗も多いどちらかといえば冴えない警官として描かれています。しかし、ペドロを演じるロベルト・ソサがこの役をしっかり演じているため、好感が持てます。また、後半は警察官としてのペドロ、男としてのペドロ、夫としてのペドロの歯車が噛み合い始めるのですが、いろんなことをうまくやり抜いていく中にも非常に人間臭さがあり、ドラマとしてもリアリティが感じられます。
あまりど派手なアクションが押さえられていること(それでも終盤の緊張感はなかなかのものです)や、ワンシーン=ワンカットが多いのもその理由の一つではないでしょうか?

理想に燃える若手警官が現実とのギャップに苦しみ、時には裏のシステムに手を染めながらもたくましく成長していくという、テーマとしてはアメリカ映画では良くあるパターンと言えますが、舞台がメキシコのため、ちょっと異色な味わいがあります。
もともとインディーズで活躍していた監督のアレックス・コックスは独自の視点を持った人ですが(長編デビュー作『レポマン』(1984)もSF風味のサスペンスでかなり変わった映画でした)、今回も彼なりの視点によるメキシコの現状がくっきりと浮き彫りにされた感じです。
独特の余韻を残すラストも含め、単なるポリスマンの成長劇にとどまらない、良くできた作品だと思います。映像的にも荒涼とした風景やドキュメント・タッチのカメラワーク等はインパクトがありますし、コミカルな味付けもやり過ぎてなくて良いです。

ちなみにこの作品、邦題は当初『エル・パトレイロ』だったはず(少なくとも私が劇場で見たときはそうでした)ですが、DVDでは『PNDC-エル・パトレイロ』になっていますし、いつからかビデオの邦題は『サウスボーダー/ハイウェイパトロール』になっているようです。お間違えなく。
なお、この作品は1992年サン・セバスチャン国際映画祭主演男優賞、1993年サンタ・バーバラ国際映画祭グランプリ・監督賞を受賞しています。

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