D-Movie(No.67)
タイトル
アルタード・ステーツ/未知への挑戦
(原題)
ALTERED STATES
監督
ケン・ラッセル
キャスト
ウィリアム・ハート、ブレア・ブラウン、アーサー・ローゼンバーグ他 
制作
1979年/アメリカ
ジャンル SFドラマ
上映時間
103分
評価
★★★
<ストーリー>
生理学者エディ(ウィリアム・ハート)は”記憶こそエネルギー”と考え、人間の記憶の原点にさかのぼるため、瞑想用のタンクに自ら浸かり、幻覚を見るトリップを繰り返していた。ある日メキシコの科学者エチュベリアと共にメキシコのインディアンの儀式に参加、”先祖の花”と呼ばれるキノコの秘薬を手に入れる。そしてその秘薬を服用し瞑想タンクに浸かった彼は、かつて無いほどの強烈な幻覚作用を体験する......。

<コメント>
『マーラー』(1974)や『リストマニア』(1975)等、独創的な映像で知られるケン・ラッセル監督の作品。原作は『ホスピタル』(1971)や『ネットワーク』(1976)等でアカデミー賞脚本賞を受賞しているパディ・チャイエフスキー。人間の細胞の記憶を辿ることによって、人類や生命の根源を探ろうとする科学者の物語です。
アメリカを代表する俳優ウィリアム・ハートの映画デビュー作であり、スティーヴン・スピルバーグ監督の『E.T』の子役で一世を風靡した女優ドリュー・バリモアのデビュー作でもあります(もちろん子役)。

人類の記憶の起源を辿る、といってもメキシコのインディアンから入手したドラッグと”アイソレーション・タンク”によるトリップによるものであり、カウンター・カルチャー世代のマッド・サイエンティストを主人公にしたカルト・ムービーと言った趣です。
前半は主人公の抱えるトラウマや彼がうなされる夢の映像等を中心に描いていて、わりと哲学的な雰囲気で進みます。このあたりの映像と言い音楽と言い、ケン・ラッセル監督らしさを感じさせる内容です。また、少し外れると”危ない”キャラクターになりがちな主人公をウィリアム・ハートがうまくバランスをとりながら演じています。ところが中盤ドラッグを得て精神的にも物質的にも人類の古代の記憶への退行を体験するあたりから、ありがちなSFっぽくなってしまいます。そもそもこの体験の科学的な根拠が薄く、映像の迫力で乗り切ってしまうあたりが説得力に欠けます。また前半で描いたトラウマ等の伏線は後半はほとんど影響を及ぼしませんし、最終的な解決には結局”愛”が重要な役割を担う等、ちょっと深みが足りない気がしました。”愛”を絡めるのであれば妻との関係をもっとしっかり描く必要があったのではないかと思います。
しかし、ケン・ラッセル監督の作り出す映像は今観てもなかなか刺激的でかつ幻想的です(それだけに見る度に後半がもったいないなーと思ってしまいますが)。ドラッグ等を利用して人間の無意識下に潜む内面世界へトリップするというシチュエーション自体は今では目新しくなくなってしまいましたが、それでもこの種の作品でさほどインパクトのある映画が少ないことを考えると、やはりこの作品は一見の価値ありだと思います。途中パーティの場面でザ・ドアーズの『ハートに火をつけて』が流れているのがハマっていました。

作品中に出てくるタンクは『アイソレーション・タンク』と言って、アメリカの科学者ジョン・C・リリーによって考案されたもので、タンク内に体温に合わせた比重の重い液体を入れ、幻覚や意識の拡大等を体験するための水槽です。この作品はジョン・C・リリー博士の研究がベースとなっているようです。また博士は他にイルカとのコミュニケーションの研究でも知られており、この研究を基にした映画も作られています(『イルカの日』(1973))。
なお、この作品は1980年のアカデミー賞作曲賞と音響賞にノミネートされました。

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