No.44
タイトル
イルカの日
(原題)
THE DAY OF THE DOLPHIN
監督
マイク・ニコルズ
制作
1973年/アメリカ
ジャンル SFドラマ
上映時間
105分
評価
★★★
<ストーリー>
財団の資金援助を受け、イルカの研究を行う海洋動物学者テリル(ジョージ・C・スコット)。彼は研究の結果、自らが育てたイルカ”アルファ”に人間の言葉を理解させ、喋らせることに成功する。しかし、その成果に目をつけた財団の幹部たちは、ある計画に”アルファ”を利用しようと目論む.........。


<コメント>
1960年代のバイブルとも言える名作『卒業』(1967)を撮ったマイク・ニコルズ(監督)/バック・ヘンリー(脚本)コンビの作品。原作はフランスの作家ロベール・メルルの同名小説。人間の言葉を話すイルカをメインに配した異色SFドラマです。

物語の設定としてはとても面白いと思うのですが、イルカが言葉を理解して喋るまでのプロセス、それを利用しようとする財団の人間たちの背景と思惑、この2点についての描き方が十分ではないので、ちょっともの足りない気がしました。ただ、これは演出が悪いのではなく、サスペンス的な要素よりも、イルカと人間の触れ合いやその間に交わされる愛情等の描写に重きを置いた結果とも考えられます。この辺りは見る人によって賛否が分かれるかもしれません。個人的にはもっと前者の方向で展開しても成功する脚本だったと思います。その路線でさらに終盤のイルカを利用してのアクションシーンを粘り強く演出すればSFドラマというよりサスペンスとしても結構面白くなったのではないでしょうか。

しかし、何と言っても出てくるイルカがかわいいです!また、人間とのコミュニケーションの場面やいろんなしぐさ・パフォーマンスをする場面も結構盛りだくさんで、それだけでも充分楽しめます。本当にイルカって見ているだけで癒されますね。
イルカを研究する学者の役どころを往年の名優ジョージ・C・スコットが優しさあふれる演技で見事に演じており、彼の演技が”話せるイルカ”にリアリティを与えることに貢献していると思います。

『ジュリア』(1977)、『リトル・ロマンス』(1979)等、数多くの映画音楽を手掛けた巨匠ジョルジュ・ドルリューの音楽も時に繊細で時に幻想的で美しいです。ラストの演出も悪くないと思います。
イルカの鳴き声が耳に残る切ない余韻を残すドラマです。

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