『blgtz』
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lgtz(ビルゲイツ)というバンドのニュー・アルバム『マイナスの世代による瞬間のドキュメント』が10月26日に発売になりました。彼らはいわゆるインディーズ・シーンで活動を行っているんですが、とにかく本気で音楽と向き合っている数少ない人たちで、今、一番好きなバンドです。ここ数年来、個人的にもお付き合いがあり、今回のライナーノーツにも少し言葉を提供させていただきました。
そこにも書いたのですが、極端な言い方をすると、今まで音楽で世界を変えようとした人はいるし、壊そうとした人もいると思います。しかし、結局世界は変わっていないし、壊れていない。だから、今の世界について満足しているならそれでいいのですが、そうでなければ、たぶん私たちにとって世界は腐り続けているだけでしょう。そんな中で私たちがやらなければいけないことは、まず世界を本当の意味で壊すことでしょう。言葉が少し乱暴なら、既存の価値観を壊すと言い換えた方がいいかもしれません。今回のblgtzのアルバムの中には、短いけれど確実に世界が壊れる”瞬間”があります。
最近また、UKではクラッシュやピストルズあたりのパンクやスカ・ミュージックに影響を受けた若い人たちのバンドが勢いづいていると聞きます。(実際「HARD-Fi」というバンドを最近聞いてます。もろクラッシュ・チルドレンなんですががんばってます)。UKほどではないにしても日本でも経済格差が広がり、社会に対して怒りを覚える若者は増えているはずです(ただ、日本の若者は総じておとなしいのですが)。それでも、やはり日本は相変わらず裕福であり、その中で本物の音楽を奏でようとすれば、それはどれだけ純粋に音楽と向かい合えるかでしかないと思います。
彼の目に留まる 汚れた世界 金属の手と 呼吸の音
死ぬまで・・・ そして、こんなにも変わっていく
−−−『物語の始まり』(『マイナスの世代による〜』に収録)より−−−
何も信じることが出来ない世界には、信じられる音楽は存在しないでしょう。私たちは何を信じればよいのでしょうか。そのためにすべてのことをシンプルにすること。そのために、身体に無意味にこびりついた、いろんな情報や価値をマイナスしていくこと、そこが始まりだと思います。
・blgtz(
http://blgtz.com/
)
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