『シナブロ』

々回のコラムでご紹介した、日韓共同アートプロジェクト『AM展』。日本人アーティスト7人が、それぞれペアを組んだ韓国人モデルとのコミュニケーションを通して作品を作り上げるグループ展です。この展覧会を進めるにあたり、私自身もアーティストではありませんがプロデューサー的立場として、いろんなモデルさんとのコミュニケーションを通して韓国の文化や価値観を勉強し、理解することが出来ました。もちろん情報量としてはたいしたものではありませんが、雑誌やテレビ等の媒体を通してではなく直接人から聞く話というのはやはり刺激的ですね。
そのプロセスで出会った素敵な言葉、「シナブロ(shinaburo)」。古い韓国の言葉で”知らない間に少しずつ”とか”ゆっくりと”という意味だそうです。現代の韓国ではあまり使われることはないようですが、その響きといい、意味といい、とてもやわらかく確かな雰囲気を感じ気に入ってしまいました。

現代は本当にさまざまな情報が氾濫していて、すでに世界はちっとも広くないし、そのくせ個人は果てしなく肥大化している気がします。しかし、人間の一生の中でとてもしっかりしていて、とても大事なもの、そういうものは本当に数少ないのではないでしょうか。そしてそれはある日突然訪れたり、表れたりするものではなく、それこそ静かにゆっくりと知らないうちに積み重なっていくものではないかと思います。まさに「シナブロ」ですね。
いい言葉に出会うのはいい映画に出会うのと同じぐらい嬉しいです。ネットでいろいろ調べて見ると「シナブロ」という題名の本や料理屋さんも出てきました。

・書籍:「シナブロ―若い韓国を知る本」(アン ヨンヒ著/小学館)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093860971/249-6230858-8709102)
・情報誌:「シナブロ」(http://www.korea-st.com/top.cgi)
・レストラン:「しなぶろ」(http://www.hotpepper.jp/s/H000002497/top.html)
ちなみに日本語で他国に誇れる言葉って何だろうと考えてみました。やっぱり「もったいない」かなあ。響きとして美しいかどうか微妙ですが。

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