『自然のバランス』

年末、胃の調子を崩した時に『胃腸は語る』(弘文堂)という本を読みました。著者の新谷弘美氏は世界で初めて大腸内視鏡によるポリープ切除に成功した方らしいのですが、胃腸のことはさて置き、面白かったのはバランスの話。要するに”バランスの良い食事とは何か?”ということなんですね。で、新谷先生曰く、人間の歯は臼歯:門歯:犬歯の3種類から成っていて、その本数の割合は5:2:1。臼歯は穀物・豆類を食べる歯、門歯は果物や野菜を食べる歯、犬歯は肉類を食べる歯。なので、人間の食事もこの割合で穀物や野菜や肉を取るのがよいのだと。それがバランスの良い食事だと。うーん、なるほど、と思いました。

私は自分の中で常に意識し、大事にしていることがあります。それが”バランス”ということなんですね。常に意識、というか、私は普段から良くも悪くも自分のことを客観視する人間なので、ほとんど無意識的にバランスを考えているという方が正しいかもしれません。で、いつも思うのは、バランスというのは無理に取るものではなくて自然に均衡するものじゃないかと。歯の成り立ちも然り。以前このコラムでお話した長期と短期のバランスの話もそうです。逆にどこかで無理をするからバランスが崩れる。例えば、バランスが悪いなあ、と思う場面が多いのは往々にして宗教や政治の舞台ですね。わかりやすいところでは、中東に対するアメリカの考え方や介入の仕方は明らかにバランスを無視している気がします。自然に任せると行っても、もちろん単に放っておけばよいというものではありません。ただ、必要以上に何かのルールで縛ろうとしたり、とある意図を浸透させようとすると必ずどこかにひずみが出てくると思います。
結局バランスを取るという事は、無理せず自然体でいるということなんでしょうね。現代社会ではそれがなかなか簡単にいかないところが厄介なんですが。

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