『夢盗人』

年4月の最初のコラムで、UKを代表するバンド、ニュー・オーダーの新しいアルバムを紹介しました。で、先日発売された雑誌「ミュージック・マガジン」6月号の特集が”ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダー”。80年代以降、未だに音楽やアート等、さまざまな分野で影響を与え続けている彼らの歩みを振り返りながら、ジョイ・ディヴィジョン〜ニュー・オーダーとはなんだったのか、を検証しています。内容的にも読ませるのですが、特に素晴らしいのは彼らが所属していたファクトリー・レーベルの専属デザイナー、ピーター・サヴィルによるジャケット・ワークを一覧できるコーナー。うーん、どれも完璧です。写真といい、文字といい、これしかない、ここしかない、という感じ。今、手元にアナログ盤がほとんど残っていないので、どれも懐かしく感じられました。個人的に特に思い入れがあるのは、1984年にリリースされた「Thieves Like Us」(邦題=夢盗人)という曲の12インチシングル。今でもこの曲を聴くと、時と場合によって胸が熱くなります。

今から20年ほど前。私は現実から逃避するかのように、実家の大きなステレオでジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーのレコードに繰り返し針を落としていました。名曲「ブルー・マンデイ」もさることながら、当時好きだったダリの絵を思い出させるような幻想的なジャケットデザインと、夢の中をふわふわと漂っているような切ない旋律が美しいこの曲は、特に私の心に深く響きました。シンセサイザーの無機質な音が作り出す”浮遊感”には、絶対に消えることのない虚無感が張り付いています。それは当時の自分にとって人生そのものでした。あれから自分はどう変わったのか。あれから自分はどれだけ成長したのか。
ニュー・オーダー、何度も言いますが稀有なバンドです。
ちなみに「ミュージック・マガジン」次号の特集は「ザ・スミスとモリッシー」。これも買わねば。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送