『反日デモ』

「信頼とは、築き上げるために膨大な時間がかかるが、壊れるのは一瞬である」。誰が言ったか知りませんが、ビジネスにおいては昔からよく聞かれる一節です。もちろんこれはビジネスの世界だけの話ではありません。昨今の日韓、日中の関係を見るとまさにこれに当てはまる気がします。韓国との関係もサッカーや映画、テレビドラマ等を通してあれだけ文化交流が行われていたのに、竹島問題で一瞬にして、日の丸が燃やされる事態となったのはご承知の通り。
先日、小泉首相が中国を訪問し胡錦涛国家主席と会談しましたが、お互いの原則論を確認しあうに留まり、内容的に具体的な歩み寄りはありませんでした。

中国の反日デモについて考える時、そもそもお互いに信頼を築き上げることが出来るような姿勢を取ってきたのかどうかが改めて問われているように感じます。
例えば、今、中国は経済的に成長を続け、市場として世界的にも注目されています。日本の企業も我先にと生産拠点を中国に移していますね。その結果、恩恵を受ける企業もあり、”中国特需”等という言葉も生まれました。しかし、10年ほど前でしょうか、やはり安い労働力を求めて同じように中国へ進出した日本企業は、中国側の商慣習や税制の違いに対応できず、多くの企業が撤退しました。
今回も5年後、10年後にどのような将来が待ち受けているのか正確にはわかりません。しかし、日本の企業が考えていることは、”中国は成長市場だ””労働力が安い”というようなことばかりのようです。
日本経済はその高度成長と引き換えにさまざまな公害問題を引き起こしました。いろんな分野で環境対策が進んでいるとは言え、中国の成長率から言うと日本とは比較にならない公害問題が噴出するのではないかと言う見方もあります。そんな中、あくまでも市場重視、利益重視だけではなく、”これからの中国のために”、というビジョンを持って進出している企業がどれくらいあるのでしょうか。人口の多さや経済的な成長率から、よその国を市場としてしか見られない、もしくは、まず市場として見るような態度から本当の信頼関係が築けるとは思えません。日本バッシングの際、まず工業製品が壊されたり燃やされたりするのは逆の意味でのステレオタイプ(であって欲しい)ですね。
やっぱり相手とちゃんと向き合って想像力を働かせること。もう一度ここから始める必要があるのかも知れません。

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