『Ray』

ちょっと前の話になってしまいますが、盲目というハンデを乗り越え、アメリカを代表するソウル・シンガーに上り詰めたレイ・チャールズの生涯を描いた映画『Ray』を観ました。この作品は、第77回アカデミー賞の6部門にノミネートされ、主演男優賞、音響賞の2部門を受賞。主演男優賞を射止めたジェイミー・フォックスは、黒人俳優として史上3人目の快挙となりました。ちなみに私がこの映画を見たのはアカデミー賞発表の翌日だったので、上映期間としては終わりの方だったのですが、激込みでした。ホント間が悪かった...。
アカデミー賞主演男優賞に関しては、いよいよレオナルド・ディカプリオがマーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』で受賞するのではないかという噂もあったようですが、まあ今回は誰のどんな作品が来てもジェイミー・フォックスには勝てなかったでしょう。まさにレイが乗り移ったかのようなリアリティがありました。スパイク・リー監督の『マルコムX』(1992)でデンゼル・ワシントンがマルコムを演じた時も凄みを感じましたが、今回はレベルが違います。ジェイミー・フォックスは本当にコメディを始め、何でもこなせる良い俳優になりそうですね。

そういう部分とは別に、映画作品としてどうかというと、伝記ものとしてはよくできていると思います。盲目というハンデを克服するプロセスや、薬物や家族との事に関してももっと深みが欲しかった気がしますし、レイと周辺人物との関係より、女性関係の方に時間を割いているのも賛否両論分かれそうなところ。それでも、晩年のポップ路線を100%肯定していなかったりするあたりはバランスがいいなと思いました。個人的にも、というかR&Bファンならほとんどそうだと思いますが、やはりレイ・チャールズはアトランティック時代がいいと思うからです。まあ、ジェイミー・フォックスの演技を見るだけでもお金を払う価値は十分ありますよ。

レイ・チャールズ本人が出演した映画で一番オススメなのは、やっぱりジョン・ランディス監督の『ブルース・ブラザーズ』(1980)。ここでのレイは楽器店のオヤジ役ですが、こんなしびれるオヤジはいません。バラードもいいですが、やっぱりジャンプ・ナンバーがカッコいい。何度見ても飽きないです。また見よっと。

・『Ray』(レイ)公式サイト(http://www.ray-movie.jp/

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