『並とはいから』

生時代、京都市の北に住んでいた時によく利用していたのが大阪発の牛丼チェーン「なか卯」。今でもあるかどうかわかりませんが、いつも行っていたのは、上賀茂神社を越えて御園橋を渡ってすぐの店舗。「なか卯」が良いのは牛丼のみならず関西風のうすいダシの”はいから”うどんを出すところ。牛丼にうどんの組み合わせが、腹を空かすことの多かった学生時代にちょうどよく、また、夜遅くまで飲んだ最後の締めにあったかいうどんがありがたかった。

先月の26日、その「なか卯」が牛丼大手チェーン「すき家」に買収されたというニュースを見た時に、ふと学生時代のことを思い出しました。これで「すき家」は「なか卯」の店舗とあわせて800店を超えるため、「松屋」を抜いて「吉野家」に次ぐ業界2位の規模になるとのこと。「なか卯」の買収はこれが初めてではなく、旧ニチメンが2年前にハンバーガーチェーンのモスフードサービスから買収していたとはいえ、いよいよ同業他社資本に買収されるとは...。東京に来て十数年、「なか卯」の店舗の少なさもあって、最近はめったに口にすることはなかったものの、何とも言えない寂しさを感じました。

マス・メディアでは連日ライブドアとフジテレビのニッポン放送株取得について時に面白おかしく、時に新旧世代対決として報じていますが、個人的にはこっちの買収劇はほとんど関心がありません。ビジネスの世界では利潤を目的とした、もっと醜いことが日常的に行われているからです。もともと株式というのは投資ですから、きちんと株価さえ上げてくれれば経営陣や大株主は誰でも構わない、という方も多いでしょう。テレビというマス・メディアが絡んでいることが、今回の騒動の一因と思われるものの、ではまだテレビに公共性があり、信用できるメディアであるかと言われると疑問が多いです。
私たちが目にする情報の中には、まだまだ真実が覆い隠されたものや悪い方に捻じ曲げられたものはいくらでもあるはずです。それはテレビでもラジオでも新聞でもネットでも同じだと思います。例えばそういうものから離れたところにあるのなら、極論すればメディアなんて何でもいいというのは言いすぎでしょうか。もちろん、メディアの公共性(そういうものが存在しうるのならば、ですが)、ジャーナリズムの存在等はまったく別問題。
いずれにしても、あの”青春の味”薄味うどんが無くならなければいいのですが。

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