『chain reaction』

この度、友人のTatsuya Sasao君が自身のＷＥＢ(『その空気』)上に立ち上げた写真プロジェクトに参加させていただくことになりました。”プロジェクト”と言っても大げさなものではなく、うちのギャラリーで写真を見せ合っていた仲間５人が、それぞれ撮影した写真をsasao君のＷＥＢページに不定期でアップするというもの。プロジェクト名は「chain reaction」。
使用するカメラの種類、テーマ、更新頻度等、何も縛りはありません。フリーの掲示板サービスを利用していて、一言コメントを付けられるシステムにはなっていますが、もちろん言葉が無くてもＯＫ。それぞれが撮りたいものを撮り、アップしたい時にアップするだけ。
実はこれ、仲間のうちの一人が東京から広島に転勤になったことをきっかけに始まったプロジェクトなんです。

最近、テレビ電話のコマーシャルで、相手の顔が見えることでいかにもお互いの距離が埋まるかのような表現をしているものがありますが、見ていると何かお尻がもぞもぞしてきます。遠く離れた人との距離をやたらとテクノロジーやメディアを使って埋める考え方にはどうも賛成できません。哲学的に、もしくは科学的に突き詰めていくとまた違うかもしれませんが、少なくとも私たちの日常においては、”離れている”からこそ”つながる”ことができるのだと思います。
きっとこの写真プロジェクトでも、写真がアップされるたびにメールやＢＢＳ等で意見交換をしあうというようなことはないでしょう。それでいいんです。決して誰かに見せたいわけでも晒したいわけでもない、私たちがお互いにつながり続けるためのちょっとした仕掛け。もちろんＷＥＢ自体はオープンにされているわけですから、どなたでも見ることが出来ます。また、もうすでにこういうことをやっている人たちはいるだろうし、これを見て同じようなことを始めてくれる人がいれば、それはそれで嬉しい。しかし、大事なのは、それぞれのメンバーが誰かがアップした写真を見て、相手の顔を思い出したり、近況を想像したりすること。写真を撮ってＷＥＢ上で見せ合うというプロセスが面白いのはもちろんですが、つながりたいと思う相手がいること、それ自体が幸せなことなのかもしれません。
私はまだあまりいい写真が撮れていないので一枚もアップしていませんが（笑）、今からわくわくしています。

※このプロジェクトに影響されたこともあり、先週から「D-Movie」ＷＥＢのトップページには、自分が撮った写真を載せることにしました。毎週更新とまではいかないかもしれませんが、気が向いたら新しい写真をアップしようと思います。こちらもたまにのぞいて見てください。

・『その空気』(http://airgraphy.com/)

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