『コンピ盤』

1月13日付の朝日新聞朝刊の文化面にこんな記事が載っていました。”コンピレーション盤「失速」”。
コンピレーション盤とはいろんなミュージシャンのヒット曲を1枚のCDにまとめたベスト盤のようなものです。ソウル、ジャズ、ディスコ等のジャンルでまとめたり、年代でまとめたり、企画はいろいろ。最近では”Tribute To 〜”のようにある有名なミュージシャンの曲をいろんなミュージシャンやバンドが演奏するというタイプもよく見かけます。
もともと作る側にとっては、新たな制作費がかからない、知名度のあるヒット曲集で宣伝費もかからない、等のメリットがあるようです。一応「コンピ盤で知ったミュージシャンを気に入ってオリジナル作品にさかのぼってもらえれば」というまっとうな理由もあるようですが、買う側のメリットとしてはやはり割安感でしょう。いろんな曲がたくさん入っていてお得、それぞれのヒット曲が入ったCDを別々に買わなくて済む、という事なのではないでしょうか。
しかし、音楽は文化です。たくさんあればいい、安けりゃいい、とはいきません。いろんなアルバムの中にはヒット曲ではないけれどなぜか心打たれる曲があります。ヒット曲の前にこの曲があるからいい、というような場合もあるでしょう。もちろん、ヒット曲こそ無いけれど素晴らしいアルバムというのもたくさんあるわけで。
昨今は、コンピ盤シリーズの中からさらに選りすぐった”コンピのコンピ”も出ているそうです。うーん...。コンピ盤の売上げが低迷するのも、単なる安売り戦略が長続きしないのと同じ理論ではないかと思います。ヒット曲をまとめるより、アルバム単位で音楽を楽しむ価値観とかを提示する方が将来的には売り上げアップにもつながるでしょうに。まあ、なかなかそういう風に長期で考えるのは難しいですが。新しいものを作り出す努力、新しい価値を提案する努力を怠れば、業界そのものが衰退するのは目に見えています。コンピ盤はその象徴かもしれません。

ちなみにコンピ盤でも”ある”企画に関しては結構興味深いものがあります。それは”レーベル”単位のコンピです。特に面白いのはインディーズ・レーベルのもの。ほとんどがシングルで発売されたものや、未発表曲をまとめたものなので、宝箱のような発見があるCDも少なくありません。インディーズの場合はジャケットもかわいかったり、凝っていたりするのでそれもいいんですよね。
オススメは80年代好きにはハズせない、UKを代表するインディーズ(とは言えないかな)・レーベル”Rough Trade(ラフ・トレード)”のもの。UKではショップ展開もしているだけあって、ショップ店員が選んだコンピ等も積極的に出しています。もうすぐ2004年注目のインディーズ・ミュージックを集めたコンピ『Rough Trade Shops: counter culture 2004』がリリースされるそうです。楽しみ。

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