『ハリウッド?』

本では今月から2005年のお正月にかけて公開されているトム・ハンクス主演の作品『ターミナル(THE TERMINAL)』。とある事情から空港で生活する羽目になった男の物語ですが、実話をベースにしていることもあってか、何かと話題になっているようですね。
以前、この『D−Movie』でもご紹介した、フランスのシャルル・ドゴール空港に閉じ込められた男を舞台にしたフィリップ・リオレ監督の『パリ空港の人々』(1993)というコメディがあるのですが、この作品にインスパイアされた部分もあるそうです。なので『ターミナル』をリメイク作品と言ってしまうのが適当かどうかは別にしても、相変わらずハリウッドのリメイク好きはとどまるところを知らないようですね。
最近のリメイク作品を挙げてみると『ザ・リング』『TAXI NY』『Shall We Dance?』『ドーン・オブ・ザ・デッド』等々きりがありません。そうでなくても『バイオハザード2』『スクービー・ドゥー2』等の続編の作品も多いし、『フレディVSジェイソン』に『エイリアンVS.プレデター』等、既存のキャラクターをネタに使ったものも多いですね。まあ後者に関してはいずれも見てみたい戦いではありますが。さらに『機動戦士ガンダム』なんかも、まな板にのっているとかいないとか...。
先日テレビを見ていたら、ハリウッド史上初の日本人監督・清水崇氏による作品『The Grudge(邦題:THE JUON/呪怨)』について特集していました。その中で清水崇監督が「今のハリウッドは本当にネタが無い。だから今なら、何か脚本を持っていけば何でもGOが出ますよ」みたいな発言をされていたのが印象的でした。

ここまで来ると”映画を作る”とは一体どういうことなのか、という単純な問いを投げかけたくなってきます。もちろんハリウッドは”産業”だと言ってしまうとそれまでですが。このままいくと映画作品のクオリティが下がり、やがては映画=ドキュメンタリーになってしまうのではないでしょうか。膨大な設備投資のためのこれまた膨大な借入金を返すために、目先の売り上げを上げなければならず、新規出店をやめられない大手スーパーと同じ状態。やがては破綻してしまうでしょう。
ハリウッドのリメイク癖がいつ頃から始まったのかを具体的に定義するのは難しいかも知れませんが、抽象的に言うならば、自らがすばらしい作品を生み出す集団、もしくは組織ではなく、外部の才能やアイデアを具現化するだけの”装置”となった時から、ということかもしれません。それはもちろん、すべての集団や組織に当てはまることなのですが。

・『ターミナル』オフィシャルサイト(http://www.terminal-movie.jp/

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