『スロー快楽主義・続』

々回の続きです。今までに無い、新しい価値観によるライフスタイルを実践しているカルチャー・クリエイティブと呼ばれる人々がなぜ興味深いのか。彼らが認める価値観や志向に共感するのはもちろん、その”透明さ”から、地に足の着いた”強さ”を感じるからなんです。

昔、私が大学生の終わりから会社員になる頃、今から14、5年前ですが、”自己啓発”というキーワードが流行し、”自己啓発セミナー”なるものが人気を博していました。バブル崩壊からしばらくして、人々がモノではなくて心を求める方向に急速に振れた時代だったのかもしれません。同じ頃、ビジネスの世界では業種が異なる人々が集まって勉強会やイベントを行う”異業種交流会”も大人気でした。”土地は値上がる”という不文律が崩れ、既存のものでは無い何かを必死に模索しようとしていたのでしょうか。個人的には、自己啓発関連のセミナー等はあまり興味がなく、結局他人に話を聞く程度でしたが、異業種交流会はいくつか顔を出した覚えがあります。イベントを行う会もあれば、株の勉強をする会やマーケティングの勉強を行う会等、いろいろありました。でも結局どれもあまり馴染めませんでした。というのも、みんな”いろんな人たちと話すのが楽しい、勉強になる”と思っている感じはあまりなくて、どちらかというと、”こういう会に出ているという事で満足している”という気がしたからです。それは自己啓発セミナーの話を聞いたときも同じでした。まあ、本当はそうではなかったかもしれませんが、少なくとも私にはそういう風に感じられました。うーん、今思うと何とも醒めた人間ですね(笑)。
自己啓発セミナーにしろ、異業種交流会にしろ、そういう集まりに足を踏み出す人たちは、前向きな考え方の持ち主で、ある意味先を見る目があるのだと思いますし、会によっては本当に仕事も分野も違う人との交流からいろんなことを得られるものもあれば、自分自身の向上に役に立つセミナーもあったと思います。しかし、私には少し違和感のある集まりや活動であったような気がします。それに比べると、ただ単に組織や集まりを作らない、という意味だけでなく、静かにゆっくりと流れつつあるカルチャー・クリエイティブやLOHASという潮流は、ひょっとしたら本当に世界を変える力を持っているかもしれないと思うのです。もちろん、世界を変えると言っても、その階層の中から突然大統領になる人が生まれたり、文化が180度変わったりする訳はありません。しかし、今よりは確実に真の意味で健康的で持続可能な社会になるのではないだろうかという事です。本当の変化とはゆっくりと少しずつ訪れるものですからね。

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