『常任理事国』

泉首相は21日夜(日本時間で22日の朝)、国連総会で演説を行い、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す意向を正式表明しました。「日本は武力行使しないでPKO(国連平和維持活動)を行っている。日本は武力行使をしなくても国際社会で十分に役割を発揮できる」と武力行使をしない国際貢献を強調。「(憲法改正を)してもしなくても常任理事国として十分やっていける。」と述べたそうです。さらに国連システム全体の変革による「国連新時代」の構築を呼びかけたとのこと。
国連のシステム自体を変革する必要があるという意見は頷けます。冷戦後の国際情勢に合わせ、非常任理事国の権限をもっと増やすとか、いろいろと改善すべき点はあるでしょう。理想論かもしれませんが、最終的には武力介入ということでいいのか?という疑問もあります。しかし、「武力行使をしなくても十分に役割を発揮できる」・・・・本当でしょうか。もちろんそれは国際社会の中で、日本こそが率先して行うべきことだと思いますが、常任理事国になれば、今までのような”金は出すが人は出さない”という姿勢が通るとは思えません。まあ、今までもまかり通っていたわけではありませんし、そもそも”日本は武力以外の分野で立派に国際貢献している”と思っている人が世界に何人いるでしょう。「日本は常任理事国入りを目指す」という言葉を聞いたとき、ほとんどの日本人が「で、なってどうするの?」と思ったのではないでしょうか。そのあたりの具体的な目的が説明不足。”自己責任”も大事ですが”説明責任”も大事ですよね。国連分担金の負担率が約20%と米国に次いで2位なのに発言権がないのはおかしい、という意見もありますが、理由としてはかなり弱い。国際貢献や人道支援において、常任理事国にならなければ出来ないことがあるというのでしょうか。もしそうだとしたらそれはそれでおかしな話です。
なし崩し的に武力行使への道を進みつつある今、国連における立場以前に、考えなければいけないことがあるはずです。
現に、中国や韓国は小泉首相の靖国神社訪問などを取り上げ、日本の常任理事国入りに難色を示しています。ブッシュ大統領は日本の姿勢について支持を表明したそうですが、まあ、国連内の討議や決議においても日本がアメリカに逆らうことは考えにくいので、そりゃあ歓迎でしょう。パウエル米国務長官がイラク開戦の主要な根拠となった大量破壊兵器の発見断念を認めたことについても、小泉首相は「イラクは”無い”と証明しなかった。日本の判断は正しかった。」と発言しましたから。
国としての姿勢・立場・役割をハッキリさせること、国際社会で舞台で行動するには、まずそこからではないでしょうか。お金さえあれば、というわけではありませんが、やはり個人的には、まず経済と環境の分野での貢献が日本らしいと思いますが。

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