『避難訓練』

月25日の日曜日、深夜になんとなくテレビをつけたら、興味深いドキュメント番組が放送されていました。画面に映しだされた人々は、最悪の事態を想定し、関係者全員が高い参加意識を持って、問題解決に集中しています。突然の事態発生にもパニックを起こさず冷静に対処できるよう、”その時”を想定しての予行演習が繰り返され、やがて、問題発生から10分で対処できるまでに習熟。これでもう大丈夫。すべては日頃からの心がけと、皆で一丸となった訓練の成果。日本人が得意とする組織力を生かした瞬発力に誰もが感動......というわけにはいきません。
残念ながらこれ、自然災害や犯罪を対象とした話ではありません。三菱自動車における捜査当局の立ち入り検査に対する訓練なのです。
番組名は『NNNドキュメント'04 スペシャル三菱自動車“リコール隠し”の真実』。リコール隠しはなぜ、どうやって隠蔽されたのか。発覚の発端となった2000年の“バジェロ事件”を元に、ドラマ仕立てで三菱自動車と当局の攻防が描かれていました。アレから芋づる式でしたねえ。まあ、どこまでが真実かは別としても、なかなか面白かったです。

初期の段階では、完璧な隠蔽工作から当局の立ち入り検査を見事クリア。お酒を飲みながら打ち上げを行う社員たちの姿は、その辺のサスペンス映画やホラー映画よりよっぽど怖かったですね。完全に麻痺してます。彼らの笑い声で”顧客の安全”等、どこかに吹っ飛んでしまったようです。訓練のプロセスもすごい。当局が会社1Fの受付に来ると、まず課長が対応し、当該部署に連れてくるまで時間稼ぎをします。その間に、他の社員はコンピュータのデータにアクセス制限をかけたり、秘密書類を紙袋に入れて地下の倉庫に移したりするんです。その時に書類の重みで紙袋が破れた人間もいて、以降、紙袋は二重にするようになったとか...。ここまでくるとコメディですね。嗚呼、素晴らしき日本企業。
しかしながら、一応まともな人もいたようで、結局は内部告発から悪事は発覚してしまいます。書類の移動を短時間に済ませるために、自分のロッカーに入れる社員も多かったようなんですね。それで「ロッカーに書類が隠匿されているぞ」という電話があったと。
下世話で申し訳ないですが、映画化してもいけるんじゃないかなあ。

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