『作られる監督』

稲田大学と情報誌『ぴあ』がともに映画監督育成を目指して提携しました。早稲田大学は今春、埼玉県に情報通信分野の研究施設を開設、ぴあが発掘した新人を大学院に推薦入学させたり、ぴあが製作した映画を技術面で援助したりするとのこと。大学院生らが製作した作品は全国各都市の映画館で開くPFF(ぴあフィルムフェスティバル)などで上映されるそうです。いいですねー。”大学生”とか”大学というシステム”は、もっともっと社会や時には産業と結びつくべきだと思います。なんてたって最高学府だし、ある種の特権階級ですからね、学生は。
ただし、やっぱりメディアに関しては、映画館だけじゃなくてもっといろんな場所が絡んで欲しいですね。映画産業を盛り上げるためには、もちろん素晴らしい作品を作る才能を発掘したり、製作するための環境を整えたりすることが不可欠ですが、観る側の”目”を養う仕組みも必要だと思うんですよ。もっと変わった場所で映画が見られるとか、映画を楽しむためのワークショップみたいなものが増えるとか。

最近、マス・メディアの広告って哀しいぐらい面白くない気がします。特に映画のテレビ・コマーシャルなんてそうですよね。その映画を見たと思われる人々を取材して(それもわざわざ映画館の前と思わしき場所で)、「本当に感動しました」とか「思いっきり泣いちゃいました」等のコメントを羅列しているだけ。「こんなにたくさんの人が面白いと言ってますよ」「こんなに大勢の人が泣いているんですよ」=だからあなたも見たいでしょう、と言わんばかり。完全になめられているんですよ、私たちは。何か牛乳のコマーシャルでもそういうのありましたね。確かにたくさんの人が”良い”という判断を下したものは、映画であろうとなんであろうとそれなりに理由はあるでしょう。しかし、それでは逆に誰もが楽しめるものしか生き残れなくなります。誰もが楽しめるものとは、例えば映画で言うと、圧倒的な”何か”があるということだと思います。今までに誰も見たこともないような映像、とか、絶対に犯人がわからない脚本、とかね。でも映画の楽しさ、面白さがそういう面だけではないことは明らかです。せっかくの提携だから、そういうこともぜひ視野に入れていただきたいですね。
まあそもそも、ちゃんと整った環境で”育成”される映画監督なんてどうなの?という気持ちも無くはないですが。
そういえば、J・マキナニーとか今どうしているのかなあ。

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