『馬とにんじん』

159通常国会が閉幕、「年金制度改革関連法」「米軍支援法」「裁判員法」等々が成立しました。年金法案の強行採決もあってか、何かなし崩し的にいろんなことが決まった印象があります。でもって、年金法案に関しては、決定して5日後に改革のベースとなる出生率の数字が好評されたのがどうにも納得いきませんねえ。それも一人当たり1.29というかなり低い水準で。ちなみに政府は出生率に関して、2002年公表の中位推計では、2003年は2002年と同じ1.32で、2007年に1.306で下げ止まり、2032年以降は1.39近くに回復すると予測していました。全然違います。
公表に関するあまりのタイミングの良さ(悪さ?)に、同法の成立後まで意図的に隠したのではないかとの指摘を受け、坂口厚生労働大臣は「それはない。まだ検討すべきことがあったので遅れた。」と反論したとのこと。もちろん、「隠しました」とは言うはずも無いのですが、それにしても誰がどう見ても、だと思います。
さらに坂口大臣は「1.29は瞬間風速だ」とも語っているらしいですが、ちゃんと予測できなかったことに変わりはありません。与党には、「1.39を下回ると年金制度云々ではなく、社会が崩壊する」と言い放った政治家の方もいらしゃったそうですが、今どうしているのやら。もし本当に数字を隠していなかったとしても、政府は95年度から少子化対策を進めていたわけで、結局政府の戦略が何ら効果を生まなかったということだとすると、それはそれで怖いですね。

いずれにしても、「給付水準は50%を割り込まない」を維持しようとすると、当然給付開始年齢が引き上げられるでしょう。まさに私たちはニンジンを鼻先にぶら下げられた馬ですね。そのニンジンが説明されたものより小さかったとしても、年老いて働く能力も場所も無い私たちはそれを食べるしかないのです。いやそもそも食べることが出来るのかどうか。

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