『金融NPO』

ュージシャンの坂本龍一、小林武史(マイ・リトル・ラバー)、桜井和寿(ミスター・チルドレン)ら3氏が中心となり、新たな銀行「APバンク」が生まれました。銀行と言っても正式には資金繰りが苦しいNPO(非営利組織)などの市民活動を支援する金融NPOです。5月1日からインターネット等で融資先を募集。
「資産の運用先を銀行まかせにせず、自分たちが望む事業に役立てたい」との趣旨から、風力発電などの自然エネルギー普及や環境保護についての事業に取り組む個人や団体を対象に低利融資を行うそうです。坂本氏ら3氏が拠出金を出資し、すでに東京都への貸金業登録も済ませ、年利1%程度の低利で1件当たり原則500万円まで無担保融資を行うとのこと。

私は今のようにフリーの立場でいろんな仕事をする前はノンバンクに勤めていたので、ノンバンクを含む銀行等の金融会社が、中小企業や個人の技術そのものを担保に融資するようなことがありえないことをよく知っています。基本的に今の社会では、そういう役割を担っているのはベンチャー・キャピタルだと思いますが、ベンチャー・キャピタルは最終的に株式公開による利益を享受するという目的がまずありますから、対象となる業種や規模等が制約されます。ですから”未来のための技術”や”地球規模での思想”に対して無担保で融資と言うのは夢のような話ですね。
もちろん、課題もたくさんあるでしょう。最も難しいのは「審査」でしょうね。すなわち融資先の業務内容や資産内容等から”この相手にお金を出して本当に大丈夫なのか?”を見極める力があるかどうかということです。また、ベンチャー・キャピタルなんかでも、投資するだけではなくて、どれだけ”育てられるか”が重要だと言われています。まあ、そのあたりは、自分たちで厳正に審査をするのはもちろん、NPOなどへの融資を手がけていた未来バンク事業組合(東京都江戸川区、田中優理事長)の協力も得るらしいです。
いずれにしても新しいシステムですから、他にも問題はいろいろとあると思いますが、今までの金融システムに一石を投じる素晴らしい試みだと思います。
ちなみにAPバンクのAPとは「アーティスト・パワー」と、「オルタナティブ・パワー(既存のものに取ってかわる新しい力)」の頭文字だそうです。このネーミングもいいですね。

・未来バンク事業組合(http://www.jca.apc.org/npois/mirai/

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送