『邦人拘束』

日、イラク国内で日本人3人が「戦士旅団」を名乗る武装グループに拘束されました。武装グループは「3日以内に自衛隊がイラクから撤退しなければ3人を殺害する」との声明を発表。テレビでは、連日3人が拘束され、武装した兵士に囲まれている様子が流されました。そして、さまざまな情報が錯綜した後の15日、3人とも無事解放に至り事件は終結。
その経緯はさておき、とにかく全員が無事で何よりでした。
川口外相は15日夜の記者会見で「解放は喜ばしいが、イラク情勢は予断を許さない。(新たに拘束された)不明の2邦人の確認に全力を挙げる」と発言。

今回の事件に関しては、「自衛隊は人道支援をしており、撤退する理由はない」と福田官房長官が明言する等、発生初日から”テロには屈しない”という姿勢一辺倒の政府に対する怒りの声や、「わざわざ危険とされる地域になぜ行ったのか」等、戦時下の地域における民間人の危機意識の低さを指摘する声等、様々な意見が飛び交いました。
個人的には、やはり、被害者の3人に”個人の行動がこういう形で国家間の交渉材料に使われかねない”との危機意識がどれだけあったのか、という点において疑問を抱かざるを得ないという感情はあります。しかし、それは単純に被害者の3人の方が甘かった、という意味ではなく、日本政府のアメリカ追従の姿勢によって、私たち国民の予想以上に日本がイラク側から見て敵視される立場になってしまったことも一因であると思います。自衛隊は戦争に行くのではなくて人道支援に行くのだ、と、日本政府がいかに煙に巻こうとも、それは相手にとってみれば関係ありません。
また、それ以上に私の印象に残っているのは、3人が拘束された翌日のテレビで、川口外相が「複数のソースから、3人が解放されるという情報を得ています」と自信さえのぞかせる落ち着いた表情で語っていた映像です。その後、結局24時間経っても人質の解放には至りませんでした。おそらく川口外相は何も知らず、ただスポークスマンと化していただけだと思いますが、外務省の情報収集能力がいかなるレベルなのか、それがとても不安になりました。そこが信頼できなければ、やはり官民関係なく、現地から直接届く情報が一番信憑性があるわけですから。

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