『10ミニッツ・オールダー』

在の映画界を代表する巨匠15人が描く10分間の短編のコンピレーション映画『10ミニッツ・オールダー』。作品は『人生のメビウス』と『イデアの森』という2部作の構成ですが、その1作『人生のメビウス』を観ました。
アキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、等々、ずらり並んだ監督陣は好きな人ばかりで、さらに作品と作品の合間に流れる音楽も素晴らしく、久しぶりに大満足でした。
一般的にはビクトル・エリセ監督(『ミツバチのささやき』等)の『ライフライン』の評判が高いようで、もちろんほとんど台詞のない演出で、流れ行く時間・モノを物語として纏め上げた手腕はすごいですが、個人的に一番響いたのはやはりスパイク・リー監督(『マルコムX』等)の『ゴアVSブッシュ』ですね。2000年11月のアメリカ大統領選における、メディア報道によって”歪んだ”票の行方について鋭く切り込んでいます。ドキュメンタリーとしての緊張感もさることながら、その映像は”クール”の一言。やっぱり政治的メッセージの強いリー監督は最高。それにしてもこの時ゴアが勝利していれば!相変わらず平和を取り戻す気配のないイラクの情勢を見るにつけ、本当に心からそう思います。大好きなアキ・カウリスマキ監督(『過去の無い男』等)の『結婚は10分で決める』も、もちろん楽しめました。寒々とした空気感とほんのりと暖かい人情が交差する世界は健在。お馴染みの俳優たちの演技も良いです。
後、意外と(失礼!)面白かったのはヴィム・ベンダース監督(『ミリオンダラー・ホル』等)の『トローナからの12マイル』。この人は音楽のチョイスがあまりにもストレートで少しうざったい場合もあるのですが、今回はアメリカのエレクトロ・サイケ・ポップバンド”EELS(イールズ)”を選んだ時点で勝ち。特別新しい手法を用いているわけではないのですが、EELSの曲にエフェクトを施して、バッド・トリップ感を引き出したのにはびっくり。使用されている曲『Woman Driving, Man Sleeping』って大好きなんですよー。ずるい。ということで、作品もサントラも大オススメです。早く『イデアの森』も行かなきゃ。

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