『三丁目の夕日』

日、家の近くにあるカレー屋さんでお昼ご飯を食べました。とことんスパイスにこだわった、おいしいカレーを食べさせてくれるお店です。まあ、このお店の詳細はまた別の機会にお話しするとして、今回はそのお店の書籍に並んだ漫画の話。あまり漫画を読みながらご飯を食べるのは好きではないのですが、料理が出てくるまで少し読もうと思って棚を見てみると、「美味しんぼ」や「ナニワ金融道」等の名作がずらり。
で、どれにしようかと迷っていたときに目に飛び込んできたのが、西岸良平(さいがんりょうへい)さんの代表作シリーズ「三丁目の夕日−夕焼けの詩」。昔、兄の影響でよく読んだのですが、大好きなんですよ。別に私は昭和初期の生まれではありませんし、彼の作品で描写される生活や遊びを実際に経験したわけではないですが、本当にあったかい世界なんですよね。戦後の何も無い日本で人々が貧しいながらも楽しく幸せに暮らしている様が淡々と綴られているんです。まあ、他のシリーズでは寓話っぽい作品やブラックな作品もあるのですが、「三丁目の夕日−夕焼けの詩」シリーズはまさにストレートな人情漫画。人と人との触れ合いやつながりの中で生まれるドラマが、時にリアルに、時にファンタジックに描かれています。
絵を見ればみなさんも「ああ、この人か」とお分かりになると思いますが、逆に「あのほのぼのしたやつね」と思われるかもしれません。きっと、若い人なんかでは絵の雰囲気だけを見て、敬遠している方もいらっしゃると思います(実際、昔の私がそうでした。好きな漫画といえば「北斗の拳」や「ジョジョの奇妙な冒険」でしたから。)。しかし、ここで展開されるのは何も楽しい話やほんわかした話しばかりではありません。人間が生きていく上で経験する不安や寂しさや悲しみも驚くほどストレートに盛り込まれています。さらに”西岸ワールド”の中でも結構数多く取り上げられるのが、いずれ誰もが向き合わなければならない”死”。そういうモチーフにも正面から取り組んでいるからこそ、逆にリアルに伝わってくるんです。
みんな楽しくて幸せな人生を送りたいと考えているかもしれないけれど、間違いなく”楽しくて幸せ”なだけの人生は送れない。それは私たちが一人きりでは生きていけないからです。まだご覧になったことの無い方はぜひぜひ。「夕焼けの詩」の単行本はすでに50巻近く出ていますし、繰り返し読んでも楽しめる作品ばかりなので、長ーく楽しめますよ。

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