『ボクらのお金』

変わらずブームが衰えない感のある”地域通貨”。バイブルとも言えるミヒャエル・エンデの『エンデの遺言』(NHK出版)を始め、今まで関連本を何冊か読みましたが、最近、とても楽しく読めてわかりやすい本に出会いました。といっても最初に出版されたのは2002年2月らしいのですが、『ボクらの街のボクらのお金』(さんが出版、あべよしひろ・著、柴崎るり子・絵)という本です。全部で100ページ程度の量しかなく、ある架空の街で地域通貨が生まれ、流通していく様をかわいいイラストを中心に紹介しているので、とても読みやすいです。登場する人々がみんな善意に溢れすぎている気がしないでもないですが、まあ、地域通貨の仕組みを説明するためなので、そこはご愛嬌。それでもしっかりと地域通貨の概要は把握できます。巻末には実際に使える紙幣サンプルもついているあたり、通貨をテーマにした本ならではの試みと言えるでしょう。
”地域通貨”とは要するにコミュニティ(=街とか地域、広くは国)の中でお互いの信頼関係に基づき、発行・流通するお金で、”円”には置き換えることのできない”行動”や”想い”を形にして、よりよいコミュニティ作り・暮らしを実現しようというものです。仕組み自体は、誤解を恐れずに簡単に言うならば、商店街のポイント制に似たようなものです。

個人の自立を促したりサポートをする役目を果たすという意味では地域通貨を歓迎しますし、お金というものに関してもさまざまな価値観や種類があっていいと思うのですが、そもそも地域通貨なんかがこれほど注目されるというのは、みんなが国単位の決め事を信じられなくなった結果ではないかと思っています。
まあ、しかし、日本でも年金問題やら自衛隊派遣やら、ちゃんとした説明や承諾の無いままなし崩し的にいろんな物事が進められていますから、こういう状況では政府の言うことややることが信用できなくなるのも無理は無いですね。
イラク派遣に関してもここまで来ると、もう我々には「行った以上、現地の人たちのために、一日も早く安定した国家を形成できるようがんばって欲しい。出来れば死傷者が出ないで欲しい。」と祈ることしか出来ないのではないかという気がします。
ちなみにアメリカでは、先日、チェイニー副大統領が「米国はイラクでの大量破壊兵器発見をあきらめてはいない」と言ったそうです。あるから脅威だと言っていたんじゃないの???という感じですが...。

地域通貨に関しては、そもそもコミュニティがうまく機能していないところにシステムだけ投入しても、何も動かないと思いますが、それでも既存の枠組みや価値観に疑問を呈し、”自分たちのやり方でやる”ためのツールとしては魅力のあるものだと思います。
いずれにしても、メディアが投げつける情報を単純に信じ込まないこと、そして自分の頭でしっかりと考え、判断すること。これだろうなー。

・さんが出版(http://www.sanga.co.jp/

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