『誰のための派遣?』

うとう「戦時下」の他国領土へ自衛隊が派遣されることになってしまいました。結果的にそうなるんだろうなーとは思っていましたが、あのような説明では到底納得できないですねー。説明、というのはもちろん小泉首相の記者会見での発言のことです。

小泉首相は9日、国際協調の重要性を強調した上で、「日本国の理念、意思が問われている。危険だからといって『人的貢献はしない。金だけ出せばいい』という状況にはない」と言いました。自衛隊を派遣する理由については、「(イラクは)必ずしも安全とは言えないと十分認識しているが、一般国民でできない仕事が自衛隊だからこそできる」と説明し、「日本は戦争に行くのではない。自衛隊は復興人道支援活動に行くのだ」とも述べました。しかし、過去の日本が、”金しか出さない”と見られる出し方しかしていないだけで、やりようによっては”金は出しても人は出さない”という国際貢献の道もあると思います。また、派遣にあたっては正当防衛のための武器は持っていくわけで、何かしらの武装衝突があって、実際に殺しあえばそれはもう誰が見ても戦争でしょう。それより何より、そもそも戦争放棄を掲げた憲法第9条はどこにいってしまったのでしょうか。

昨今、小泉首相の口から「テロに屈してはならない」という発言が繰り返し聞かれましたが、武力を持って臨むことだけがその解決策ではないはず。テレビの取材でイラクの人々が「日本人が来るのはうれしいが、なぜ自衛隊が来るのか」と言っているのを見ました。イラク人も歓迎しない、日本人も2/3は賛成しない、そんな中で送り出される自衛隊の人々はいったいどういう心境なのでしょう。
もちろん、国際協力をしない場合(=アメリカに協力しない場合)、「では日本の国防はどうするのか」、という反論がありますが、だから、そこをはっきりさせる時期なんだと思います。イラク派遣の是非ではなくアメリカとの関係をどうするかというところを見直さなきゃならない。もしくは、そこのところは10000歩譲っても、人的派遣をする分、経済負担を少なくするよう交渉するとか、人的派遣といっても、自衛隊以外の協力の方法を模索するとか、いずれにしても国際社会への貢献の姿勢を示す前に、アメリカに対する明確な立場や方針を打ち出さなければ。とにかく自衛隊の派遣が前提で、理由は最終的に精神論的なところに落ちてくるみたいな感じですね。
うーん、納得いかない記者会見でした。でも、もう私たちは踏み出してしまった。
少なくともそれだけはちゃんと認識しておかなければ。

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