『フォークの魂・その壱』

ヶ月ほど前でしょうか。夜中に何となくテレビをつけたら、ドキュメンタリー番組をやっていました。舞台はどこかのスタジオ。ミュージシャンが何人もいる中、プロデューサーらしき人物がいろいろな指示を出しています。いろいろ鑑みると、新人バンドのデビューを追いかけている番組らしいことはわかったのですが、まあ、特に強い興味を引かれるわけでもなく、ただぼんやりと画面を眺めていました。
すると、突然その場には似つかわしくない若い二人の少年の姿が映し出されました。どうやら彼らが主役のようなのですが、二人ともまだ小学生か中学生か計りかねる様な幼さの残る風貌。一瞬、不思議に思ったのですが、その二人の目には、頼りなさと同時に思いつめたようなある種異様とも言える鋭さがあり、思わず画面に見入ってしまいました。兄・林龍之介と弟・林直次郎のデュオ。兄は15歳、弟は13歳。そして年齢等何の意味も無い、と言わんばかりにほとばしる、思い切りフォークな音と詩。それが「平河地一丁目」との出会いでした。

デビューシングルが出たら買おうと思っていたのですが、何だかんだと忘れており、先日ツタヤでふと見つけて買いました。
「とうきょう」という曲をメインに「かわれないので」「少女」の2曲を含む全3曲入りCDシングル。この3曲のタイトルからしてすでに古き良きフォークの味わいを感じさせますね。「かわれないので」っていうのが秀逸。タイトルのみならず、いろんな意味ですごいです。まず、この年齢で自分たちの立ち位置をしっかりと認識しているところがすごい。そして70年代の日本のフォーク音楽の世界を完全に、そしてあからさまなほどストレートに再現しているところもすごい。少しトラウマっぽさを感じさせるけれど、しんみりと切ない歌詞もいい。前述のテレビ番組では路上ライブの様子などもやっていたので、CDの少し装飾された厚い音が気になりましたが、それでも唸りました。この音とか詩が表現している世界って、日本人なら故郷があろうと無かろうと、”懐かしい”って感じるんじゃないでしょうか。
久しぶりに”新しい”フォークの名曲に触れていろいろ考えました。
ということでちょっと次回に続きます。

・平河地一丁目/オフィシャルサイト(http://www.hirakawachi1.com/

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