『癒し』

年前からでしょうか、ビジネスのみならず、いろんなフィールド、分野、業界で”癒し”という言葉をよく耳にするようになりました。現在では、もうほとんど一般的に使われる単語になったと言えると思います。そのせいか、今は瞬間的に癒されようと思えば、結構簡単に出来ますよね。アロマテラピーもあれば、温泉もあれば、ヒーリング音楽なんかもある。そんな中、”癒される”、ということはどういうことかなーとあらためて考えてみました。
実は今、ギャラリーで遅い時間まで仕事をすることが多いのですが、ここが結構癒される場所なんです。ギャラリーの目の前には世田谷線という路面電車(正確には路面はほとんど通りませんが)が走っているのですが、この電車は2両編成でゆっくりことことと走る電車です。途中環七という大きな道路と交差しますが、場合によっては電車の方が止まるという全国的にも珍しい電車でもあります。スピード的には電車の中の乗客と目が合う程度の速さ(遅さ?)。で、夜遅く、パソコンに向かって仕事をしていて煮詰まってくると、結構ギャラリーの外の景色をぼーっと見ながら過ごすのですが、静かな住宅地の中を世田谷線の電車が通るのを見ているだけで心が和んできます。電車が近づくと踏み切りも鳴るし、電車の音そのものもうるさいのですが、なぜかほんわりと気持ちよくなるんですよね。
これにはもちろん、路面電車が持つゆっくりとしたたたずまいのせいもあると思いますが、日々電車が見える場所で暮らしている、という要素もあると思うんです。そういう生活のリズムの一部となっているものをあらためて見つめなおすときに訪れる感覚。それがもし”癒し”の感覚だとすると、実は生きているっていうことを実感できるときが、癒されているときなのかなーと。とてもリアルで確かなものに触れたときに感じることの出来る”生”の感覚。それはきっと日々過ごしている空間の中にあるもの。自分の生活の間近にあるもの。要するに癒されるって、そういうこと?だったら何も難しいことはないし、たくさんのお金を使う必要も無い。アロマや温泉はそういう”生”の感覚を半ば強制的に呼び起こす装置なんでしょうね。
逆に言うと自分が心地良かったり気持ち良かったりすることが、自分にとってリアルなものなのかもしれない。そのリアルなものが人に優しく、地球に優しくあれば、きっとそれに越したことはないのだと思いますが、他人との競争や戦いだけがリアルになってしまうと、もう先は見えている。
さて、あなたは何に癒されますか?

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送