中身は普通でも、外見に生まれつきの障害を抱え、27回も顔の手術を受けている10歳の少年、オギー。生まれてから一度も学校へ通わず、ずっと自宅学習を続けてきたが、母のイザベルは心配する夫の反対を押し切り、５年生の新学期から学校に通わせることを決意する。しかし案の定、学校ではイジメに遭い、孤立してしまうオギー。それでも彼を心から愛する両親や彼のことを理解してくれる友人、さまざまな人達の温かい愛に恵まれ、やがて彼の行動が周囲を動かし始める．．．という物語。

Ｒ・Ｊ・パラシオの全米ベストセラー『ワンダー』を実写化した作品。監督は小説家・脚本家でもあるスティーヴン・チョボスキー。顔に障害のある男の子が、10歳で初めて学校に通い、イジメや偏見にさらされながらも困難を乗り越えていく物語。こういう作品では、障害のある本人のがんばる姿もさることながら、それを支える人々の姿、志にも心打たれます。両親とクラスメイトたちとの交流がメインですが、必要以上にウェットにならず、登場人物の心情を丁寧に描写する演出にも好感が持てます。テーマとしては重い部分もあり、いろんなことを考えさせられる内容でありながら、見終わったあとに前向きになれる作品。子供から大人まで幅広い層の人たちに見ていただきたいです。