D-Movie(No.567)

・邦題:『クロコダイルの涙』
・原題:『THE WISDOM OF CROCODILES』
・監督:レオン・ポーチ
・脚本:ポール・ホフマン
・キャスト:ジュード・ロウ、エリナ・レーヴェンソン他
・制作:1998年/イギリス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★★


【 コメント 】
美貌と才能に恵まれた青年医師スティーヴンには秘密があった。自分を愛してくれる女性の血を吸わないと死んでしまうのだ。そのために彼は次々と女性を誘惑しては愛を抱かせ、そして最後には殺してしまうという罪を重ねていた。やがて彼の周りで起こる不可解な死に目を付けたヒーリー警部が、しつこく彼につきまとうようになる。スティーヴンはそれでも次の獲物を捜し求め、新しい獲物アンと出会う。今までの女性とは違う魅力を持つ彼女を本気で愛してしまうスティーブン。なかなか実行に移せない彼だったが、血を求める彼の身体はやがて壊れ始める...という物語。主人公のスティーブンを演じるのは今やハリウッドを代表する”ハンサム”スターのジュード・ロウ。監督は香港を舞台に活躍していたレオン・ポーチ。

本作のジュード・ロウはかなり脚光は浴びていたものの、『リプリー』(1999)で大ブレイクする少し前。ちょっと線が細くて透明な感じが、どこか人間ではないオーラを感じさせ、まさに本作のハマリ役だと思います。もともと監督は主人公として女性経験の豊富な40代の男性を考えていたようですが、ジュード・ロウで正解だったのではないでしょうか。逆に彼を追う刑事にはもう少し年老いた俳優でもよかったかもと思いました。主人公を追い詰めながらもどこかでその若さに嫉妬している、みたいなエピソードも追加されたりして。
ちなみにタイトルは”ワニは獲物を襲うときには罪悪感から涙を流す”と言われていることからつけたらしいです。己が生きるために必要な他人の死。相手を愛することは自分を愛すること、その逆もまた然り。人間の血を必要としている、という意味ではヴァンパイヤなのですが、いわゆる吸血鬼ものというよりは、もう少し生きることそのものへの業のようなものも表現されている内容です。ジュード・ロウの魅力にゴシックっぽい雰囲気の映像もかっこよく、恋愛ドラマとしても成立しているちょっと変わった作品です。

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