ベルリン・クロイツベルグ地区マッハナウ通り。かつて帝国主義への過激な抵抗活動を行っていた6人組のうちの2人、ティムと車椅子のホッテはボロアパートで暮らしていた。他のメンバーがそれぞれ社会生活を送る中、2人はいまだに体制に対する反抗の気持ちを忘れていなかった。そんなある日、彼らが15年前に豪邸に仕掛け、不発に終わった時限爆弾が突然爆発する。幸い死者は出なかったものの、警察の捜査が開始、過激な活動を行っていた者たちが対象となる。やがて、彼ら6人が自分たちの活動を収めていたフィルムが警察に押収される。そのフィルムが証拠となってしまうことを恐れたティムとホッテは、昔の仲間4人に声をかけ、フィルムを取り戻そうとする...という物語。
15年前の不発爆弾が突如爆発したことで、久しぶりに再会したアナーキストたちが織り成す群像劇。もう少し全体的にパンクな感じを想像していたので、打倒資本主義を掲げる人たちが、証拠隠滅のために奔走するストーリーにがっくり。革命や破滅の美学のようなものも一切感じられませんでした。とはいえ、終盤からラストにかけて、そもそもそういうドラマではなく、ティムとホッテの成長の物語だったのだと気づき、そう考えると、観終わった後にはそれなりに爽快感がありました。数多くのミュージック・ビデオを手掛けてきた監督らしく、音楽の使い方もうまい。
|